『時代小説、火坂雅志(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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天下は一人のためにあらず!
惜しまれつつ急逝した著者最後の文庫本。
信長の着想力も、秀吉の魅力もない家康が何故天下人になりえたのか、その謎に挑んだ意欲作。
幼いころに父を失い、織田、今川両家の人質となり、苦労を重ねる家康。
桶狭間の戦いで、今川から自由となったが、織田と同盟を結んだことにより戦はまだまだ続く。
越前朝倉攻め、姉川の戦い、三方ヶ原の戦い、長篠の戦い、甲州討入り、上田合戦。
この時代に生きる事とは戦う事であった。
戦無き世を夢見て、家康は戦い続ける。 -
秀吉の朝鮮出兵に異を唱えた博多商人の生涯。
島井徳太夫、のちの島井宗室は博多に生まれたが、幼くして両親を失い、17歳にして朝鮮に渡った。朝鮮で掘り出し物の茶道具を買い付け、それを数寄者に売って博多で有力商人になっていった宗室は、對馬や酒井へと商売を広げ、妻を娶り、自身で永寿丸という船を持つようになった。
博多を治める大友義鎮や宗麟とも、宗室は交わるようになる。さらに、織田信長に、そして信長の意向を継いだ羽柴秀吉に近づく。最終的に荒廃した博多を復興したのは秀吉だったが、秀吉は朝鮮出兵を見据え、朝鮮との窓口になっている対馬の宗氏に使者を命じる。朝鮮国王に家臣になるようにと。ならなければ攻撃する、と。
「博多は、古来より大陸との交易で栄えた湊でござります。大陸とのつながりは、申してみれば博多の生命線。それを断ち切るような戦いは、関白さまであろうとも誰であろうと、断じておこさせてはなりますまい」
宗氏とともに朝鮮の交渉に当たり、戦火を交えないように工作をした宗室だったが、息子鶴松の死がきっかけになり、秀吉は朝鮮出兵を決断。急遽石田三成に呼び出された宗室は、秀吉に出兵を思いとどまらせるように諫めてほしいと言われたのだが――。 -
宮本武蔵天下無双の二刀流ここに生まれる。
孤高の剣客・宮本武蔵。その生い立ちは苛烈きわまりないものであったことは、あまり知られていない。母親の愛を受けられず、父・無二斎に木刀で打ち据えられる日々。いつしか武蔵は人の心を無くしていった。しかし一方で剣の道では、そんな父との関係から多大な影響を受けることとなる。剣客である父の流儀は当理流十手剣術。後年、武蔵は、父無二斎の当理流から着想を得て、独自の二刀流を編み出し、希代の剣豪宮本武蔵が誕生することとなる。息詰まる凄絶な親子関係を描いた表題作「武蔵と無二斎」。他、6編の剣客にまつわる物語を収録。剣の時代を生きた男達の生き様に迫る。 -
歴史に埋もれた江戸時代の町民自治の顛末
新潟は、北前船をはじめとする大型船の寄港地として繁栄したが、不況と天候不順が続き、不景気のどん底にあえいでいた。しかし、長岡藩は主要な財源である新潟の町からの過重な御用金の取り立てを要求。それに一部の特権商人は、その御用金の上前をはねていた。
憤る人々を、なんとか収めようとした呉服商涌井藤四郎らの努力も実らず、明和5年(1768年)、町民は決起し新潟は町民の手で治められることになった。その先頭に立った藤四郎には、亡き師竹内式部に国学を学んでおり、大いなる志があった。町役人を町民の公選にすることなどを盛り込んだ嘆願書を長岡藩に提出したのだったが……。
わずか2ヶ月とはいえ、パリ・コミューンの百年前に行われた新潟の町民自治。この作品は、その“新潟湊騒動”の顛末を、藤四郎と彼を慕う芸妓お雪との恋模様を絡ませながら描いていく。 -
「後世の事頼み候」
平手政秀より傅育係を依頼された妙心寺派の僧・沢彦は、信長がただの“うつけ”ではないことをいち早く見抜き、その器量が未だ萌芽をもみせぬ少年期から、人として、武将としてのさまざまな智恵をさずける。信長も「師僧」と慕って信頼を寄せ、自分を高めていく決意を固める。
弟子を天下人にする夢と己の野心を重ね合わせて全国制覇の青図を描く沢彦は、信長を尾張統一、桶狭間での今川軍撃破、さらに足利義昭を奉じての上洛へと導く。
歴史の闇に葬られた知られざる名参謀の夢と野心を、新史料から描き出した意欲作。 -
NHK大河ドラマ「おんな城主・直虎」主人公・井伊直虎ほか、女たちの実像に歴史小説家が迫る!
生涯を男として生き、養子直政を徳川四天王の一人へ育て上げた女城主「井伊直虎」、直江兼続が唯一愛し、主君から女執政として遇された越後美人「お船の方」、恋に生き恋に死んだ瀬戸内のジャンヌ・ダルク「鶴姫」――大河ドラマ原作『天地人』をはじめ、義を貫き大きな敵に敢然と立ち向かった武将たちを描き続けた歴史小説家が、運命に翻弄されながらも、乱世を力強く生きた25人に迫る。単行本未収録の傑作評伝、初の書籍化!
一、女城主たちの戦い
井伊直虎 井伊直政の養母
妙林尼 吉岡鎮興の妻
おつやの方 織田信長の叔母
大乗院 二階堂盛義の継室
立花ぎん千代 立花宗茂の正室
二、危機を救う妻たち
お船の方 直江兼続の正室
小松姫 真田信之の正室
千 代 山内一豊の正室
ま つ 前田利家の正室
ね ね 豊臣秀吉の正室
三、愛と謎と美貌
小少将 長宗我部元親の側室
義 姫 伊達政宗の生母
諏訪御料人 武田信玄の側室
松 姫 武田信玄の六女
濃 姫 織田信長の正室
四、才女と呼ばれた女たち
お初 常高院 浅井三姉妹の次女
阿茶局 徳川家康の側室
喜 多 伊達政宗の教育係
小野お通 真田家ゆかりの才女
寿桂尼 今川義元の生母
五、想いと誇りに殉じる
鶴 姫 瀬戸内のジャンヌ・ダルク
淀 殿 豊臣秀吉の側室
細川ガラシャ 細川忠興の正室
お市の方 織田信長の妹
大福御前 北条氏邦の正室
関連年表 -
五流山伏・児島高徳は、隠岐島に流された後醍醐天皇を脱出させることに成功する。高徳は、立川流の文観上人から、“螢惑星”という世に風雲を巻き起こす相があるといわれ、それは足利尊氏にもあるといわれた。 やがて後醍醐天皇は尊氏に追われ、南朝を起こす。高徳は、後醍醐天皇への信義を貫き、度重なる誘いにも動ぜず、尊氏と戦い続けた。北畠親房、楠木正成らの名将が活躍した南北朝時代の、知られざる人物の苛烈な生涯を描く。
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