『歴史、時代小説、文春e-Books、雑誌を除く(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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江戸鎌倉河岸にある酒問屋・豊島屋。看板娘しほの唯一の肉親である父が、橘の鉢をめぐって御家人と諍いをおこし、御家人に斬り殺される事件が起きる。その御家人は、狂乱高騰する橘景気を背景に新しい店を開くというが、呼び物のひとつが、しほの父の血を浴びた「血染めの橘」。父の死を商売のたねにして弄ぶ御家人は許せない――しほと、幼馴染である政次、亮吉、彦四郎の三人が立ち上がります。
また、しほの両親をめぐって、あらたな事件が姿をあらわし……。
江戸開闢以来の町・鎌倉河岸を舞台に、若者四人と、よき理解者である金座裏の御用聞き・宗五郎親分が難事件を解決する、“青春捕物グラフィティ”。 -
愛と裏切りと、衝撃の真実!
ときは戦国。陰流の祖・愛洲久忠(移香斎)は、神々の国・出雲で「この世にないはず」の刀剣と出会います。
「とうに滅びた備中青江鍛冶の新作に見えた……」
この刀こそ、若き剣豪の理想を体現していました。
久忠は又四郎という陽気な若侍と、山奥をさまよいます。ようやくたどり着いたのは、年寄から赤子まで、女だけで暮らしている隠れ里。そこで出会うのは、女たちの驚くべき風習、いのちを脅かすものたち、雪舟という奇妙な老人……。
なんとしても生きのびようとする誇り高き女たちは、久忠の求める刀をつくることを条件に、「私たちを守ってほしい」と、次から次へと難題を持ち込みます。
久忠たちの運命や、いかに? -
涙あり、恋あり、活劇あり。佐伯泰英の時代小説シリーズ、全4巻合本版
吉原や向島などへ行き交う舟が集まる柳橋。神田川と大川が合流する一角に架けられたその橋の両側には船宿が並び、働く人、遊びに行く人で賑わっていた。
柳橋の船宿「さがみ」で働く船頭の広吉には一人娘がいた。名前は桜子。三歳で母親が出奔するが、父親から愛情を受けて育ち、母譲りの器量よしと、八歳から始めた棒術の腕前で、街の人気娘に育っていた。夢は父親のような船頭になること。
そんな桜子に目を付けた船宿の亭主による「大晦日の趣向」が思わぬ騒動を巻き起こし……。
4カ月連続刊行で話題を呼んだ、壮大なスケールで描かれる全4巻!
※この電子書籍は、以下の作品をひとつのコンテンツにまとめた合本です。
『猪牙の娘 柳橋の桜(一)』2023年6月配信
『あだ討ち 柳橋の桜(二)』2023年7月配信
『二枚の絵 柳橋の桜(三)』2023年8月配信
『夢よ、夢 柳橋の桜(四)』2023年9月配信 -
長編時代小説の金字塔「居眠り磐音」に続く、「空也十番勝負」シリーズ合本版
「空也、旅立ちなされ」
母おこんの言葉を胸に武者修行の旅に出た16歳の青年。
彼こそは紀州姥捨の郷に生まれ、江戸に戻ってからは小梅村でひとり稽古に励んできた坂崎空也。坂崎磐音の嫡子である。
偉大な剣術家・磐音のもとを離れ、ひとり立ちすべく出発した彼の前途に待ち受けるものは――。
シリーズ累計350万部の大人気エンタメ時代小説「空也十番勝負」、そのすべてがこの一冊に!
※この電子書籍は、以下の作品をひとつのコンテンツにまとめた合本です。
『声なき蝉 上・下 空也十番勝負(一)決定版』2021年8月配信
『恨み残さじ 空也十番勝負(二)決定版』2021年9月配信
『剣と十字架 空也十番勝負(三)決定版』2021年10月配信
『異郷のぞみし 空也十番勝負(四)決定版』2021年11月配信
『未だ行ならず 上・下 空也十番勝負(五)決定版』2021年12月配信
『異変ありや 空也十番勝負(六)』2022年1月配信
『風に訊け 空也十番勝負(七)』2022年5月配信
『名乗らじ 空也十番勝負(八)』2022年9月配信
『荒ぶるや 空也十番勝負(九)』2023年1月配信
『奔れ、空也 空也十番勝負(十)』2023年5月配信 -
紫式部が生きた時代の豪華絢爛宮中絵巻
日本初の女性による女性のための歴史物語『栄花物語』の作者である朝児(赤染衛門)からみた宮廷はどんな姿をしていたのか?
宮中きっての和歌の名手と言われる朝児(あさこ)は夫を亡くしたばかり。五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、ひょんなことから三条天皇の中宮妍子の女房として再び宮仕えをすることになる。
宮中では政権を掌握した藤原道長と、あくまで親政を目指す三条天皇との間には緊張が入っていた。道長の娘の妍子が、将来天皇となるべき男児を出産することが、二人の関係に調和をもたらす道だった。しかし、女児が生まれたことで、道長は三条天皇の排除を推し進めていくことになる。
朝児は、目の前で繰り広げられるきらびやかながらも残酷な政争に心を痛める。なぜ人は栄華を目指すのか。いま自身が目にしていることを歴史として書き記すことが自らの役目ではないのか。そこで描かれるのは歴史の勝者ばかりではない。悲しみと苦しみのなかで敗れ去った者の姿を描かねばならない。その思いの中で朝児は筆を取る。 -
戦国どんでん返し七連発
乱世は謎に満ちている。
上杉謙信の脅威にさらされている越中神保家を助けると約束した武田信玄だったが、援軍は出さぬという。果たして援軍なしに上杉を退ける秘策とは? 腹の探り合いが手に汗握る「川中島を、もう一度」。
下野国・宇都宮家に仕える若色弥九郎は、先代当主の未亡人・南呂院の警固番に抜擢される。門松奉行という閑職の父を持つ弥九郎にしてみれば、またとない機会。意気揚々とお役目に着く弥九郎だが、この抜擢の本当の目的は……うまい話の裏を描く「宇都宮の尼将軍」。
長宗我部家は、大量の砂糖の献上を織田家に約束していた。外交僧として必死の思いで砂糖をかき集めた道標だったが、何者かに砂糖の献上の先を越されてしまう。横槍を入れてきたのはまさかの……すべてが戦略物資になる乱世の厳しさが身に染みる「戦国砂糖合戦」etc.
気鋭の歴史小説家が放つ、戦国どんでん返し七連発。 -
大型新人が放つ、幕末時代活劇
〈運びの掟〉
一つ、中身を見ぬこと。
二つ、相手を探らぬこと。
三つ、刻と所を違えぬこと。
約束の物は何があっても届け切る。それが〈運び屋〉。
母は病に倒れ、父も道場の経営に失敗して体を壊した。
自力で稼がなくてはならなくなった円十郎は〈運び屋〉を営む〈あけぼの〉に雇われることになった。
腕のいい〈運び屋〉として江戸の街を駆け回る円十郎だったが、
荷を運んでいたある夜、攘夷の志を口にする武士と手練れの忍び(?)に立て続けに襲われる。
一体何が起きているのか?
円十郎は知らず知らずのうちに時代の大きな渦に巻き込まれていく……。
オール讀物新人賞受賞の大型新人が放つ、幕末時代活劇。 -
史上最も無能な征夷大将軍
やる気なし
使命感なし
執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?
動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。
後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。
怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。
混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、
何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?
幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。 -
里村五郎兵衛は、神宮寺藩江戸藩邸差配役を務めている。
陰で〈なんでも屋〉と揶揄される差配役には、藩邸内の揉め事が
大小問わず持ち込まれ、里村は対応に追われる毎日。
そんななか、桜見物に行った若君が行方知れずになった、という報せが。
すぐさま探索に向かおうとする里村だったが、
江戸家老に「むりに見つけずともよい」と謎めいた言葉を投げかけられ……。
最注目の時代小説家が描く、静謐にして痛快な物語。 -
お待たせしました! 人気シリーズ待望の第5弾!
男は命を賭し、女は行く末を想う――。
初午の真夜中、水垢離に臨もうとしていた喜八郎たちのすぐそばで、
男女が川に飛び込んだ。
女を助けた喜八郎は、ふたりが奉公先の賭場で恋仲になった挙げ句に
心中を図ったと知り、賭場の貸元と直談判に及ぶが……。
そして喜八郎と秀弥の恋の行方にも新たな展開が! -
孫文を支え続けた日本人実業家の、スケール感溢れる一代記
映画事業で大成功をおさめ、その資金で革命家・孫文を支援し続けた梅屋庄吉。その情熱と葛藤、国境を越えた友情を直木賞作家が描く。
長崎の貿易商・梅屋商店の跡継ぎとして育った庄吉は、香港で写真館を経営する。そこで出会ったのが、清朝を打倒し、西洋の武力支配からの自立を目指す若き孫文だった。西洋列強による東洋の侵略に理不尽を感じていた庄吉は、孫文の情熱を知り、革命を支援することを約束する。庄吉はやがて、日活の前身となるMパテー商会を創立。黎明期の映画事業は大成功を収め、その資金で革命を支援し続ける。
実業家・梅屋庄吉の熱き生涯! -
第99回オール讀物新人賞受賞作!
「全篇にわたって楽しい」有栖川有栖
「無条件に楽しんで読むことが出来た。ああ、面白かった」乃南アサ
ニヤリ、クスリ、ホロリ……
選考委員も癒された、新・癒し系時代奇譚。
叔父を訪ねて大坂へ向かった男の道ずれは、首だけのサムライだった!?(受賞作「首ざむらい」)
とある若侍が死体で発見された。下手人は河童らしく……。(書下ろし「よもぎの心」)
現代人の疲れた心と疲れた身体に、
ただただ楽しく、チャーミング(&時々すっとぼけ)な時代小説をご用意しました! -
【電子特典】十代の金杉惣三郎を描いた中篇「虚けの龍」収録
1999年著者が初めて時代小説に挑んだシリーズ「密命」。
豊後相良藩二万石の徒士組・金杉惣三郎は、固い絆で結ばれた藩主からの密命を帯び、真相を探るべく脱藩を装って江戸での浪人生活をはじめる。運命は思わぬ方向へ惣三郎を運んでゆき……。
剣豪小説であると同時に、家族それぞれの絆、成長や挫折、喜び哀しみを描写して26巻完結となったシリーズを合本化。
※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『完本 密命 巻之一 見参! 寒月霞斬り』から『完本 密命 巻之二十六 晩節 終の一刀』全26巻を合本にしたものです。 -
小柄な体、禿げ上がった額に団子鼻の老侍。一見冴えないこの男、実は来島水軍流の凄まじき遣い手――。
「酔いどれ小籐次」の新シリーズは、積年の想い人おりょうと結ばれた小籐次が、かつて自分を狙った刺客の遺児、駿太郎を引き取り、育てることに。ついに小籐次にも平穏が……否。次々に巻き起こる事件が彼を休ませてはくれない。「新・酔いどれ小籐次」シリーズ1巻から、2022年8月に完結した25巻までを合本化。
※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『神隠し 新・酔いどれ小籐次(一)』から『御留山 新・酔いどれ小籐次(二十五)』全25巻を合本にしたものです。 -
小柄な体、禿げ上がった額に団子鼻の老侍。一見冴えないこの男、実は来島水軍流の凄まじき遣い手――。
まったく新しい時代小説の主人公、赤目小籐次の痛快無比の活躍を描くシリーズ全19巻と、小籐次の若き日を描いた中編二作を収録の『小籐次青春抄』を合本化!
※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『御鑓拝借 酔いどれ小籐次(一)決定版』から『状箱騒動 酔いどれ小籐次(十九)決定版』全19巻と、『小籐次青春抄 品川の騒ぎ・野鍛冶』を合本にしたものです。 -
徳川家康が天下を統一し、世の中からは急速に戦国の気風が消えていった。かつて戦場で名を馳せた宮本武蔵の剣も、時代遅れの遺物になり果てていた。弟子たちは武蔵を見捨て、道場の存続は危ぶまれている。父親の病いも手伝って、借金まみれの生活をするまでに落ちぶれていた。
武蔵が自分の剣も終わりと観念し、さる大名に形ばかりの免許皆伝の免状を出し、その見返りとして借金の肩代わりをしてもらう話がまとまりかけたが――
そのとき武蔵の元に「五霊鬼の呪い」の探索の依頼が舞い込む。この呪いをかけられた者は二年以内に死ぬと言われているが、大御所・徳川家康が「呪い」の標的になったというのだ。家康に呪いをかけた者(=呪詛者)を生け捕りにするのが武蔵の役割だという。
世を捨てると決めた武蔵は、最初依頼を固辞する。しかし、武蔵の唯一のそして最大の理解者である弟子・佐野久遠が呪詛者に殺されたかもしれないことがわかり、事態は一変。
呪詛者を探しだすことは、弟子の仇を打つことに繋がる。武蔵は自身の中に再び生への衝動が湧き上がるの感じ、呪詛者探索へと旅立つ。 -
膨大な作品数がある佐伯泰英さん。「どのシリーズから読み始めようか」「次にはどの作品を読めばいいか」のお悩みにこたえます!!
『「佐伯泰英山脈」フウフウ登頂記』に書き下ろし「延長戦」を加えた、ノンフィクション作家・北尾トロさんによる傑作ガイドとともに、電子書籍で読める人気5大シリーズの第1章をまるごと収録しました。
【収録タイトル】
流離 吉原裏同心(1)決定版
八州狩り 夏目影二郎始末旅(一)決定版
陽炎ノ辻 居眠り磐音(一)決定版
御鑓拝借 酔いどれ小籐次(一)決定版
完本 密命 巻之一 見参! 寒月霞斬り
佐伯作品初心者にも、中級・上級者にも役立つこと間違いなしのガイドブックです! -
明治時代のニッポンにも、感染症との終わりなき闘いに挑んだ二人の男がいた。
コロナ禍で、「感染症学」に注目が集まるなかで、医師である著者が、北里柴三郎と、軍医・森鴎外のライバル物語を描く。
ドイツ留学を経て、ペスト菌を発見し、「日本の細菌学の父」の異名を持つ北里。
一方の鴎外は、同時期にドイツで学び、帰国後、陸軍で最高位である軍医総監にまで上り詰めた。
二人は、互いへのライバル心を燃やしながら、「感染症から国民の命を守る」という同じ目標へと突き進んでいた。
その二人がなぜ道を違え、対立したのか。
誰も描かなった、北里と鴎外の相克の物語が誕生した。
【電子特典】
全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。
電子版あとがき 『奏鳴曲 北里と鴎外』 -
史上初の直木賞&高校生直木賞をW受賞した『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』から2年。直木賞受賞第一作にして、『渦』の待望の続編がついに刊行。
江戸時代も半ばを過ぎた道頓堀には芝居小屋がひしめき合っていた。
近頃は歌舞伎芝居に押され、往時の勢いはないものの、「道頓堀には、お人形さんがいてこそ、や」
人形浄瑠璃に魅せられ、人形浄瑠璃のために生きた人々の喜怒哀楽と浮き沈み、せわしなくも愛しい人間模様をいきいきと描く群像時代小説。 -
佐伯泰英の時代小説第一作。すべてはここから始まった!
豊後相良藩二万石の徒士組・金杉惣三郎は、14年ぶりに江戸に入った。
何者かによって奪われた相良藩の蔵書の中に、幕府の怒りに触れるもの――切支丹本が混ざっていたという。事が明るみに出れば藩の取り潰しは免れない。
固い絆で結ばれた藩主・斎木高玖からの密命を帯び、真相を探るべく脱藩を装って、江戸での浪人生活をはじめる惣三郎。江戸の市井でさまざまな人々と縁を結びながら切支丹本の行方を探ってゆくと、そこには藩主の伯父である斎木丹波の影が。
密命を果たすため、東奔西走する惣三郎。そんなある日、国許に残してきた子供たち、清之助とみわがさらわれたと知らせが届く。惣三郎は子供たちと藩を救うため、剣を振るう!
*この電子書籍は祥伝社文庫から刊行された「完本 密命」を底本としています。 -
2010年代の読むべき作品がわかる! 珠玉の時代小説リスト
前年10月からその年9月までの1年間に刊行された時代小説の中から、
ベテラン書店員がその年一番面白いと思った作品を選ぶ「本屋が選ぶ時代小説大賞」。
毎年「オール讀物」12月号で発表される同賞は、2020年で10回目を迎えました。
第1回から第10回までの大賞作は、平安から昭和まで、主人公も仏師や武将、女性歌人など時代小説の豊かさを表す傑作揃い。
「オール讀物」に掲載の歴代受賞者インタビューをはじめ、各年の読むべき時代小説20〜30作品の紹介が一冊になりました。
第10回(2020年)の選考会の様子、澤田瞳子・朝井まかてによる歴代受賞者対談も特別収録。
2010年代の時代小説の魅力を網羅した完全保存版です。
<歴代大賞作品>
2011 第1回『黒南風の海 加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』伊東潤
2012 第2回『満つる月の如し』澤田瞳子
2013 第3回『一路』(上・下)浅田次郎
『恋歌』朝井まかて
2014 第4回『異国合戦 蒙古襲来異聞』岩井三四二
2015 第5回『もののふ莫迦』中路啓太
2016 第6回 『室町無頼』垣根涼介
2017 第7回『会津執権の栄誉』佐藤巖太郎
2018 第8回『葵の残葉』奥山景布子
2019 第9回『熱源』川越宗一
2020 第10回『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』永井紗耶子 -
最近の学説では「浮世絵の祖」といわれ、また「奇想の絵師」のひとりとして江戸絵画で注目の絵師・岩佐又兵衛を正面から描く、力作長編。
母のお葉とともに暮らす又兵衛は、寺の下働きをしていたが、生来、吃音が激しく、ままならぬ日常を送っていた。そんなある日、寺の襖絵を描きに来た絵師・土佐光信と出会い、絵を描く喜びを知る。
その後、自分の出自を知らぬ又兵衛は何者かに追われ京に移るが、新たに狩野派で学ぶ機会を得て、兄弟子でもあり師ともいえる狩野内膳と出会い、更なる絵の研鑽を積む。しかしある日、何者かに母を殺される。
その後もなんとか絵の道で生きていた又兵衛だったが、じつは自分の父は荒木村重であること、母だと思っていたお葉はもともと乳母で、しかも彼女を殺した首謀者が村重だったことを知る。
母を想い、父を恨み、人と関わることも不得手な又兵衛にあるのは、絵だけだった――。 -
「クソみたいなキューバを変えられるのは、カストロしかいなかった」
アメリカ傀儡政権から祖国を取り戻した男の闘いを描く!
若きJ・F・ケネディや、アレン・ダレスCIA長官が活躍する大国アメリカの影響を受けながら、米国の傀儡政権が支配するキューバで、革命への土台を作るために戦った若き日のフィデルを描く!
祖国キューバのためを思い、立ち上がったフィデル・カストロは、時の権力者・バチスタ将軍に何度も敗れた。
それでも、フィデルに私心はなく、国民のために戦っていたからこそ、多くの国民に支持をされた。
キューバ革命への礎を築いたフィデル・カストロの壮絶な激闘譜。
英雄チェ・ゲバラを描いた『ゲバラ覚醒』『ゲバラ漂流』、カリスマ指導者フィデル・カストロの幼少期から青年時代を綴った『フィデル誕生』に続く、ポーラースター・シリーズ最新刊。
アメリカと対峙し続けた、キューバの歴史を読めば、世界の現代史が読み解ける。
【電子特典】
全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。
電子版あとがき 『フィデル出陣 ポーラースター』
【関連小文】1 「オバマ大統領、広島訪問」
【関連小文】2 「ローマ教皇フランシスコ、広島・長崎訪問」
【関連小文】3 「コロナ来襲」
【関連小文】4 「紙は神様である」 -
構想20年、同じ時代に行きあわせた証しとして書き上げた、吉田喜重監督(『エロス+虐殺』『鏡の女たち』)渾身の長編小説!
ドイツの闇の歴史に切り込む――。
ナチス副総統、ルドルフ・ヘス。「わたし」という主語がない奇妙な手記を通して、謎に満ちたヘスの生き様を掘り尽す。
ナチス・ドイツによる絶滅戦争=ソ連侵攻を控えた1941年5月10日、ヒトラーの代理人といわれたヘスは
単身メッサーシュミットを操り、スコットランドをめざしてミュンヘンを飛び立った。イギリスとの講和工作のために。
しかし、それを知ったヒトラーは激怒し、チャーチルはとりあわなかった。世界は破滅へ向かって動きはじめる……。
ヘスの罪と罰を辿る、大作歴史小説。 -
司馬遼太郎による国民的ベストセラー、映像化に合わせて待望の新装版刊行。
俺は今日から武士になる――。
佐幕派と倒幕派が対立する幕末の激動期。
武州多摩のバラガキだった土方歳三は、近藤勇、沖田総司らとともに、
幕府徴募の浪士組にまじって、京へ向かう。
京都守護職御預の名のもと、「新選組」を結成。
副長・土方は厳しい局中法度を定め、類のない苛烈な軍事集団を創り上げ、
池田屋事件などで、世にその名を轟かせていく――。
しかし、薩長同盟成立で、時流は一気に倒幕へ。
土方は最後まで激しく抵抗、夢と信念を貫き、江戸、会津、箱館へ向かう。
稀代の男の生涯を巧みな物語展開で描いた、傑作長編。
〈名著が一冊で読める、大変お得な決定版!〉
司馬さんによる「あとがき」、原田眞人監督による特別寄稿「そびえ立つ歴史的遺産『燃えよ剣』を映画化して」を収録。
※本書は、一九九八年九月に刊行されたノベルス判の新装版です。 -
たとえこの腕失くすとも――
あの梅原猛を驚嘆させた独特の画風。利き腕切断後も大作を描き続けた伝説の画家、三十五年の凄絶な生涯を描いた力作長編。 -
文春文庫×エブリスタ
第3回バディ小説大賞受賞作が電子書籍化!
文春文庫が小説投稿サイト「エブリスタ」とコラボして開催した「バディ小説大賞」。
「キーアイテム」がテーマの今回は、時代ファンタジー小説『-空- 戦国あやかし恋華』が大賞を受賞しました。
【あらすじ】
救世の旅をする僧侶・空穏(くおん)とお供の神獣・塩竈(しおがま)が湖で見つけたのは、巨大な白い繭。
その中には、全身が生糸のように白い美少女が眠っていた――。
少女は一体何者なのか? 村で流行する疫病の正体は?
徐々に、人と妖の罪業が解き明かされる……。
「文章力、構成力ともに抜きん出ており、非常に読み応えがあった」
「すぐに惚れられてしまう僧侶の空穏や、バディとなる神獣の牛もチャーミング」
選考委員も絶賛した、絢爛豪華な謎解き時代ファンタジー。 -
敏腕新聞記者と愛嬌たっぷりの“相棒”が、幕末から明治にまたがる謎を追う!
『明治乙女物語』で松本清張賞を受賞した著者の受賞第一作
明治維新前夜――。
妻、幼子とともに馬車に乗っていた一人の英国商人が、横浜で三人の侍に斬殺される事件が起きた。
三人は「攘夷なり!」と叫ぶや逃走し、その行方は杳として知れなかった。
17年後、銀座で一人の馭者が、何者かに狙撃され死亡した。
彼はこときれる前、「青い眼の幼子……」とのみ言葉を発したという。その意味するところは何か?
開化日報記者の片桐は14歳の探訪員見習い“直太郎”とともに、幕末から明治にまたがる謎を追う。
やがて明らかとなる驚くべき事実とは!?
松本清張賞受賞第一作の本格歴史ミステリー -
没後50年、いまもなお読み継がれる巨匠の傑作短篇から、沢木耕太郎が選び抜いた名品。山本周五郎の世界へ誘う格好の入門書であり、その作家的本質と高みを知ることができるシリーズ4冊を便利な合本で!
生涯、膨大な数の短篇を遺した山本周五郎。その大半がいまだに読み継がれ、多くの読者に愛され、また後進の作家たちに多大な影響を与え続けている。山本周五郎作品に深く傾倒する沢木耕太郎氏が独自の視点と切り口で4巻36篇を選び、各巻の末尾に斬新かつ詳細な解説エッセイを執筆。
第1巻「一丁目一番地のひと」(周五郎作品に登場する女性像を分析する。)
第2巻「彼らを輝かせるもの」(男女が貫く「意地」をキーワードに作品世界に迫る。)
第3巻「寒橋のまぼろし」(「情」の万華鏡とも言うべき作品世界の魅力を解き明かす。)
第4巻「悲と哀のあいだ」(微妙に意味合いの異なる「悲」と「哀」を、周五郎はいかに描いたか。) -
主人公の南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、心形刀流の遣い手。“剃刀久蔵”と称され、悪人たちに恐れられている。何者にも媚びへつらわず、自分のやり方で正義を貫く。
「町奉行所の役人は、お奉行の為に働いているんじゃねえ、江戸八百八町で真面目に暮らしている庶民の為に働いているんだ。違うかい」。
大人気の時代小説シリーズ「秋山久蔵御用控」全30巻を、合本としてまとめました。 -
デビュー作『会津執権の栄誉』が第157回直木賞候補に!
ますます注目を集める新人作家・佐藤巖太郎の
オール讀物新人賞受賞短篇が電子書籍オリジナルで登場
山形藩二十万石の大名・保科正之から呼出しを受けた北町奉行・加賀爪忠澄。
保科の頼みは、切支丹の疑いありと訴えられている牢人・梶原伝九郎について、
拷問による自白ではなく、正しい裁きをしてほしいと願うものだった。
梶原伝九郎を訴え出たのは、実の弟・八太夫である。三ヶ月前のことだった。
同居する兄が十字架に向かい祈りを捧げている姿を目撃したという。
しかし伝九郎は疑いを頑強に否認。でうすの御影が描かれた絵も躊躇なく踏み、
仲違いしている弟による自分への誣告だと申し立てた。
いったいどちらが嘘をついているのか――。
そんな中、伝九郎の所持する『伊勢物語』の中に、耶蘇教を崇める呪文が発見され、
事件は思わぬ展開を見せる――。 -
文藝春秋の電子書籍オリジナルレーベル「文春e-Books」始動! ヒトが直立二足歩行を始めたときから悩まされてきた腰痛。最先端医療から民間療法まで、その“治療法”はまさに百花繚乱の様相を呈していますが、それゆえ肝心の「自分に適した腰痛治療は何か」「今、腰痛治療はどうなっているのか」ということが見えにくくなっています。本書は、その疑問に答えるべく、ジャーナリストの鳥集徹氏が『週刊文春』に執筆し、大反響を呼んだ連載をまとめたもの。「痛みは心から?」「トリガーポイント注射とは?」「代替医療の賢い使い方は?」「後悔しない手術の受け方とは?」等々、日々進化を遂げている腰痛治療法の取捨選択に悩むすべての人にとって、格好の羅針盤となる一冊です。電子書籍版特別付録として、専門家への聞き取り調査によって作成した「腰痛の実力医師リスト」を収録!
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2700万部の大ベストセラー時代小説から名言・金言を総ざらい!
『鬼平犯科帳』とは、江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵の活躍を描く時代小説の金字塔である。
火付盗賊改方とは江戸の特別警察とでもいうべき組織。その長官を務める旗本の平蔵は、若いころ、「本所の銕(てつ)」と呼ばれた無頼の過去を持ち、その経験から、市井の事情にも通じ、人情の機微を知るようになった。
その鬼平を中村吉右衛門が演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきた『鬼平犯科帳』は、2017年にアニメ化され、大きな話題になった。
著者、故池波正太郎は『鬼平犯科帳』のほかに、『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』という人気シリーズも書いた時代小説の第一人者。東京・浅草という下町生まれ。小学校を卒業してすぐに働き始め、劇作家として活躍しはじめてからも、しばらくは都職員として働いていたという経歴の持ち主。そうした経験を通じて磨かれた人間観が作品を深みのあるものにしている。
「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」
「何事も小から大へひろがる。小を見捨てて大がなろうか」
「人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ」
文庫版『鬼平犯科帳』全24巻と番外編1巻より、しびれる名台詞、寸鉄人を刺す格言、心をうつ人生訓をピックアップ。
著者自身の手になる挿画や、時代小説の挿画家としてしられる中一弥氏の作品も収録。 -
2017年1月よりテレビ東京系や時代劇専門チャンネルで放送されるアニメ「鬼平」。
その原作となった全12話を集めました。
主人公・長谷川平蔵の奔放な青春時代や、妻・久栄の秘められた過去、
同心・木村忠吾の意外な一面、おまさ、粂八といった密偵たちの来歴など、
主要登場人物のキャラクターが分かる話を集めた鬼平入門に最適の一冊。
【収録作品リスト】
「血頭の丹兵衛」 『鬼平犯科帳(一)』収録
「本所・桜屋敷」 『鬼平犯科帳(一)』収録
「暗剣白梅香」 『鬼平犯科帳(一)』収録
「血 闘」 『鬼平犯科帳(四)』収録
「谷中・いろは茶屋」 『鬼平犯科帳(二)』収録
「盗法秘伝」 『鬼平犯科帳(三)』収録
「瓶割り小僧」 『鬼平犯科帳(二十一)』収録
「大川の隠居」 『鬼平犯科帳(六)』収録
「泥鰌の和助始末」 『鬼平犯科帳(七)』収録
(アニメ第9話「わかれ道」は「泥鰌の和助始末」の前編)
「むかしの男」 『鬼平犯科帳(三)』収録
「あきれた奴」 『鬼平犯科帳(八)』収録
「狐 火」 『鬼平犯科帳(六)』収録 -
2017年1月から放送されるアニメ「鬼平」第一話の原作となった短編。
「血頭の丹兵衛」と名乗る怪盗が江戸市中を荒らしまわっていた。
盗みに入った家の人間を皆殺しにする残虐な手口に、江戸っ子は恐れおののき、
たまりかねた当局は長谷川平蔵を火付盗賊改方へ戻した。
かつて鬼平に捕らえられ、牢に押し込められている「小房の粂八」は、
役宅に戻った平蔵の顔を見ると、意外なことを口にした。
「いまお膝もとを荒らしているやつは、にせものの血頭の丹兵衛でございますよ」
そして粂八は、ある決心をする。
<「鬼平」と言われながら、実はまったく鬼ではない、悪人のことを徹底的に
やっつけるんだけれど、悪い奴らの中にも何かを見つけていくという鬼平の
すべてを表現しているような気がする>
(アニメ「鬼平」丸山正雄プロデューサー)
鬼平の世界の全体像が伝わってくる一編。 -
『バッテリー』『NO.6』のあさのあつこが描く!
江戸時代を舞台に、少年たちの成長と葛藤を描く、人気青春活劇全八巻がこの一冊に。
【収録作一覧】
『燦 1 風の刃』
江戸から遠く離れた田鶴藩。その藩主が襲われた。疾風のように現れた刺客は鳥獣を操り、剣も達者な謎の少年・燦(さん)。筆頭家老の嫡男・伊月(いつき)は、その矢面に立たされるが、2人の少年には隠された宿命があった――。
『燦 2 光の刃』
江戸での生活がはじまった。伊月は藩の世継ぎ・圭寿(よしひさ)とともに窮屈な大名屋敷住まい。一方、異能の一族に生まれ育った少年・燦も、祖父の遺言を守り、江戸の棟割長屋に暮らす。その2人が町で出会った矢先に不吉な知らせが届く。
『燦 3 土の刃』
「圭寿、死ね」。江戸の大名屋敷に暮らす田鶴藩の後嗣(こうし)に、闇から男が襲いかかった。同じころ、伊月は、藩邸の不穏な動きを探らせていた石崎文吾(ぶんご)の無残な死体を前にしていた。そして燦は、江戸で「神波の一族」を知る人物に出会う。彼らにいったい何が起ころうとしているのか――。
『燦 4 炎の刃』
「闇神波は本気で我らを根絶やしにする気だ」。刺客、暗殺、陰謀。江戸で男が次々と闇から斬りつけられる中、燦はついに争う者たちの手触りを感じ始める。一方、伊月は藩の代替わりの準備に追われるが、圭寿の亡き兄が寵愛した美しき側室・静門院(せいもんいん)が面会を求めてきて……。
『燦 5 氷の刃』
燦、助けてくれ。頼む、燦。――圭寿の亡き兄が寵愛した側室・静門院の住まう屋敷からの帰り道、刺客に襲われた伊月は、生死の境をさまよい続ける。正体を現さぬ敵、闇神波への激しい怒りに揺り動かされる燦が静門院のもとを訪ねると、予想外の真実が明らかになり……。
『燦 6 花の刃』
手伝ってくれ、燦――田鶴藩立て直しのため、燦に頭を下げる圭寿。藩の「病巣」かもしれぬ父・伊佐衛門への懸念を伊月が抱く中、闇神波と田鶴藩との繋がりも明らかになっていく。一方、静門院とお吉のふたりの女子は、思いがけない形で三人と深くかかわることになり……。
『燦 7 天の刃』
田鶴藩に戻った燦を不意に襲う、謎の飛礫。それはかつて共に暮らした與次の仕業だった。「今更のこのこ帰りやがって。何もかも遅すぎるんだ!」與次から篠音の身の上を聞いた燦は、ある決意をする。
『燦 8 鷹の刃』
おれが必ず燦に逢わせてやる――遊女に堕ちた身を恥じながらも燦への想いを募らせる篠音に、伊月は誓う。遊里からの帰り道、星月夜に轟く鳥の声に不吉な胸騒ぎがし、城へと急ぐ。正に刺客が薄主・圭寿に放たれていた。その頃、静門院とお吉は田鶴に向かって道を急いでいたが……。 -
江戸時代の後期、淡路島の貧家に生れた高田屋嘉兵衛は、悲惨な境遇から海の男として身を起し、ついには北辺の蝦夷・千島の海で活躍する偉大な商人に成長してゆく……。沸騰する商品経済を内包しつつも頑なに国をとざし続ける日本と、南下する大国ロシアとのはざまで数奇な運命を生き抜いた快男児の生涯を雄大な構想で描く一大巨編、待望の合本化!
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NHKでドラマ化された山崎豊子の感動巨篇「大地の子」全4巻が電子書籍の合本として登場。松本勝男は、敗戦直後に祖父と母を喪い、妹と生き別れた。戦争孤児となった少年は、死線をさまよう苦難を経て、中国人教師に拾われ、中国人「陸一心」として育てられる。しかし、成人した一心を文化大革命の波が襲う。日本人の出自ゆえにリンチを受け、スパイの罪状で労働改造所送りに。終わりのない単調な重労働に明け暮れる日々、一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった。労働改造所から釈放された陸一心は、恩人である江月梅と結婚。中国と日本共同のプロジェクト「宝華製鉄」建設チームに抜擢された。一方、プロジェクトに協力することになった日本の「東洋製鉄」からは、松本耕次が上海事務所長として派遣される。松本は戦前、開拓団の一員として満州にわたった。しかし敗戦時妻子の生死も不明となり、傷心のまま生きてきた。戦後三十年を経て、両国で残留孤児探しが始まる──。「あつ子、すまなかった、探し出すのが遅過ぎた」──陸一心こと松本勝男は、三十六年ぶりにめぐりあった妹・あつ子に泣いて詫びた。妹は張玉花という名で、寒村での過酷な労働の果てに、重い病いの床にあった。その頃、兄妹の実父・松本耕次は、生き別れた子どもたちの消息をつかめぬまま、奇しくも陸一心のたずさわる製鉄所建設に参加し、中国で苦労を重ねていた。実の妹の臨終を看取り、悲嘆にくれる一心の前に、東洋製鉄の松本耕次が現れた。松本は、娘の消息がわかって駆けつけたのだ。あまりに唐突な父子の再会。一方で、宝華製鉄建設は大詰めをむかえていた。頭角を現す一心に、更なる悪意が襲いかかる……。最後に選ぶのは祖国日本か中国か。血と汗と涙の傑作巨篇!
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江戸情緒をたたえた捕物帳でロングセラーとなった大人気シリーズ「御宿かわせみ」の既刊34巻(文春文庫)を1冊にまとめた合本。江戸の大川端にある小さな旅籠「かわせみ」。若き女主人るいは、元・同心の娘。町を行きかう人びとがひと時のやすらぎを求めて投宿する。ときに、表沙汰にできない厄介ごとを胸に秘めて……。誘拐、詐欺、敵討ちなど、大小さまざまの事件に巻きこまれながら、るいは一つ年下で幼馴染の恋人・神林東吾と協力し、解決の途をさぐってゆく。東吾の友人で八丁堀の同心・畝源三郎や、将軍家御典医の倅・天野宗太郎、かわせみの奉公人の嘉助やお吉など、馴染みの面々も大活躍!一九七三年から続く本シリーズは数度にわたりテレビドラマ化。日本最高峰の人情譚を一気に読める合本です。
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池波正太郎の永遠のベストセラー「鬼平犯科帳」シリーズ。江戸幕府の火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官・長谷川平蔵は、その取り締まりの豪腕ぶりで、世の盗賊たちから“鬼の平蔵”と恐れられている。しかし、その素顔は「妾腹の子」として育った苦労人。昔は放蕩無頼の限りを尽くし、義理も人情も心得て、ときには捕らえた盗賊にも情けをかける、心優しき男。筆頭与力の佐嶋忠介、平蔵の長男・宣義、妻の久栄、平蔵の腹違いの妹・お園など、馴染みの顔ぶれが大活躍!テレビドラマ化、舞台化、漫画化など、日本人では知らぬ者のいない大人気の鬼平シリーズを全話収録したシリーズ全24巻(文春文庫)が、電子書籍の合本として登場。
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野村萬斎・主演で映画化され、テレビドラマや漫画にもなった大人気シリーズ、既刊の12巻すべてを収録した合本。
時は平安時代、京の都に安倍晴明という名高い陰陽師がいた。まだ闇が闇として残り、夜になれば人も、鬼も、物の怪も、同じ都の暗がりに、息をひそめて住んでいた時代――。安倍晴明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼など、普通の人間には見えない、妖しのものどもを相手に、この世ならぬ不可思議な難事件をあざやかに解決する。親友の源博雅は、霊感はまるでないが、刀では敵なしの強さ。力を合わせて物の怪に挑む大ヒットシリーズ!
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