『時代小説、祥伝社、その他(レーベルなし)(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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深川の新兵衛長屋に住む十三歳のお綾。三年前に母を亡くしたが、大工の父直次郎、弟正太と慎ましく暮らしていた。
ある日、父の朋輩重蔵の店賃滞納で揉めている中、隣に坂崎清之介という写本を生業とする侍が越してきた。
本好きのお綾は、部屋の片づけを束脩代わりに坂崎に手習いを見てもらうことに。そこで書きかけの本 『つきのうらがわ』を見つける。
子が亡き母の住む月へ辿りつこうとする物語だった。
「続きを考えさせてくれませんか」とお綾は頼みこみ、正太と重蔵の子おはると一緒に考え始める。
次第に子どもたちは優しい坂崎を慕うようになる。だが、坂崎には人を殺して生国を追われたという噂があった――。 -
己が命、武士の矜持のみに賭す――
大ヒット「風の市兵衛」の著者の新たなる代表作!
日当わずか八十文。関八州取締出役の艱難辛苦の旅の一年を、郷愁豊かに描く。
越後宇潟藩の竹本長吉は上役の罪に連座し失職、故郷に妻子を残して江戸に仕事を求めてきた。
様々な職の中、請人宿で選んだのは《雇足軽》だった。関八州取締出役の蕪木鉄之助の元、数名で一年をかけて関東の農村を巡回し治安を維持する、勘定所の臨時雇いである。
日当わずか八十文。二八蕎麦が十六文、鰻飯なら二百文が相場だった。討捨ても御免だが、刀を抜くことは珍しい。多くは無宿の改め、博奕や喧嘩、風俗の取り締まり、農間渡世の実情調査や指導などの地道なものだった。
巡る季節のなか、土地土地で老若男女の心の裡に触れる長吉は、妻子を想い己が運命と葛藤する。
そんな時、残忍非道な押し込み強盗一味の捕縛を命じられ――
ときに鬼神と化し、ときに仏の慈悲を施す八州廻りを、郷愁豊かに描く! -
この世に生かしておけねえやつなら、地獄の閻魔に頼め――
深川は要橋端にぽつんとある一膳めし屋「極楽屋」。主の島蔵は裏の長屋に無宿人や入墨者など世間では受け入れられない者たちをただ同然で住まわせ、仕事を世話していた。
そのため、土地の者からは「地獄屋」、裏の長屋は「地獄宿」と呼ばれ、恐れられている。
さらに、島蔵のもう一つの顔は、金ずくで殺しを請け負う殺し屋の元締めだった。
安田平兵衛はそんな闇の世界で「人斬り平兵衛」の二つ名を持つ凄腕の殺し人だったが、ここ十年は老齢を理由に本所相生町の長屋で刀の研ぎ師をしながら娘のまゆみと静かな生活を送っていた。
しかし、夜鷹殺しを皮切りに地獄屋でも手練れの者が斃され、島蔵は平兵衛を闇の世界へと呼び戻す……。
全身に走る震えを抑え、再び剣を取る凄腕の老剣士を描く、冷酷にして情感溢れる異色の剣豪小説!
シリーズ全14巻をまとめた合冊版。
【収録作品】
『闇の用心棒』
『地獄宿』
『剣鬼無情』
『剣狼』
『巨魁』
『鬼、群れる』
『狼の掟』
『地獄の沙汰』
『血闘ヶ辻』
『酔剣』
『右京烈剣』
『悪鬼襲来』
『風雷』
『殺鬼狩り』 -
忽然と消え去った信長の財宝は何処に。
秀吉、家康、そしてイエズス会を巻き込む大捜索が始まった!
戦国時代の常識を覆した名著『信長の軍師』の著者が放つ、織田宗家の栄枯盛衰。
この十字架を決して世に出してはならぬ――
天正4年(1576)、イエズス会の司祭オルガンティノは京の南蛮寺建立の礼として、黄金に12個の大きな紅玉(ルビ―)を施した十字架と地球儀を織田信長に献上した。
その頃、信長は安土城築城に際し、安土山の未来永劫の鎮護を願い、伝統の巨石を発見して山の何処かに埋める。
6年後、本能寺で信長は横死、遺産金は黄金7万枚しかなかった。
岐阜城から信長と斎藤道三の遺産が忽然と消えていたのだ。豊臣秀吉も徳川家康も必死に探すが見つからない。
やがて、織田宗家の命運は、織田と武田という戦国一の血統を継ぐ三法師こと織田秀信に託されることになる。
そんな折、なぜか信長の財宝と紅玉の十字架の関係が秘かに噂されーー。 -
万両店の末弟、鷺之介が齢十一にして悩みがつきない原因とは――。
時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる大江戸謎解き物語。
万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介は、齢十一にして悩みが尽きない。
かしましい三人の姉――お瀬己・お日和・お喜路のお喋りや買い物、芝居、物見遊山に常日頃付き合わされるからだ。
遠慮なし、気遣いなし、毒舌大いにあり。三拍子そろった三姉妹の傍にいるだけで、身がふたまわりはすり減った心地がするうえに、姉たちに付き合うと、なぜかいつもその先々で事件が発生し……。そんな三人の姉に、鷺之介は振り回されてばかりいた。
ある日、母親の月命日に墓参りに出かけた鷺之介は、墓に置き忘れられていた櫛を発見する。その櫛は亡き母が三姉妹のためにそれぞれ一つずつ誂えたものと瓜二つだった――。 -
「あんたがお照で、あたしが美晴。何ともお似合いの二人じゃないか。」
元花魁と女中が二人暮らし。出るのは鬼か……。
気っ風と純情――江戸の女を描き尽くす著者新境地!
お照は義父の卯平に命じられて、亀井町の妾宅で働いている。主人は卯平の奉公先である室町の呉服屋、砧屋喜三郎だ。
喜三郎は手代上がりの婿養子で、妻のお涼に頭が上がらない。そのため、吉原の花魁だった美晴を囲っていることは秘密である。通い番頭の卯平は喜三郎の兄貴分で、自分を引き上げてくれた弟分を守るべく、義理の娘に美晴の世話をさせることにしたのだ。
卯平は「美晴が男を連れ込んだら、すぐに教えろ」とも、お照に命じていた。
それぞれが手前勝手な思惑を抱える中、美晴とお照の付き合いは思いがけず深まっていく……。 -
直木賞作家・今村翔吾の凄みあふれる驚愕の初期短編集
今川義元の嫡男今川彦五郎氏真はなぜ名家を没落させたのか―
蹴鞠と歌を何より好んだ戦国武将が天下人に見せた正しき矜持とは?
桶狭間での父義元の急死を受け、彦五郎氏真は駿河今川氏の当主となった。
だが、落日はすぐそこに――家臣だった松平元康(徳川家康)は離反、甲斐武田からも圧迫され、正室である相模北条氏の娘・早川殿とともに転々と落ちゆく日々。
そんな中にも救いはあった。氏真は近江の寺で出会った童子たちの師となり、ある希望を抱く。
しかし無常にも、天下を掌中に納めつつあった織田信長は、氏真と心通わせた子らを叛乱の縁者として殺してしまう。
蹴鞠の名手であり、歌をこよなく愛した男が見せた最後の心意地とは……(「蹴れ、彦五郎」)
表題作のほか、感動の七編を収録。 -
男は、生きるのがどこまでも下手だ。
二人の藩主を擁する橋倉藩。
割れて当たり前の藩を割れさせぬ――重すぎる命を課された近習目付たちの命運は。
名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。
橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す――藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。
だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。
加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願を出す。その矢先、藩の重鎮が暗殺される。いったいなぜ――隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが……。 -
北宋―遼、西夏の外圧に苦しみながら都市文化が繚乱とした時代、検屍の技術・制度は当時の世界最高水準に達していたという。
八代皇帝の御代、政和七年(1117)四月半ばの朝。首都開封一の盛り場、桑家界隈の芝脚小屋海棠棚で、人気女役者楊安奴の死体が発見された。外傷はなく病死とも考えにくいが、赤子を朶んでいたことから、愛憎の末の殺しとも見られる。
捜査検屍を担当する方淵之が死因解明に苦慮するうち、部下の丘千五が紅い油傘を死体に翳すと、なんと鳩尾に傷跡が浮かんできた…(第1話 紅油傘)
首都開封と水都蘇州を舞台に、愛と殺意の果てを描く七幅の絵巻!
戸川乱歩賞受賞の異才が放つ傑作中国医学ミステリー、待望の電子化。
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