『映画、集英社新書、801円~1000円、0~10冊(新書)』の電子書籍一覧
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「多様性」の時代のヒーローとは――
【おもな内容】
世界を救う、「正義」の象徴たるヒーローは、圧倒的な“マジョリティ”として表象されてきた。
しかし21世紀を迎え、ジェンダー、加齢、障害、新自由主義といった様々な観点への理解・変化から、留保なしでその存在は認められなくなった。
では、ヒーローたちはどのように「多様性」と向き合うのか?
そして、「ポスト真実の時代」とどう対峙していくのか?
本書は、ヒーローの誕生から発展までの歴史的視座を参照し、アメリカと日本のポップカルチャーに登場、活躍する《新しいヒーロー像》を縦横無尽に論じる。
ヒーローを考えることは社会を考えることだ!
【目次】
序章 多様性の時代の正義
第一章 法の外のヒーローたち
第二章 二つのアメリカと現代のテーレマコス
第三章 トランプ時代の「お隣のヒーロー」
第四章 多様性の時代に「悪」はどこにいるのか?
第五章 「オレはまだまだやれる!」――中年ヒーローの分かれ道
第六章 障害、加齢とスーパーヒーロー
第七章 日本のヒーローの昔と今
第八章 正義のパロディとニヒリズムとの戦い
第九章 デスゲームと「市場」という正義、そしてケアの倫理へ
第十章 ポストフェミニズムと新たな「ヒーロー」
終章 私たちの現在地
おわりに 正義はどこへ行くのか? -
ハリウッド映画が危機に瀕している。
配信プラットフォームの普及、新型コロナウイルスの余波、北米文化の世界的な影響力の低下などが重なって、製作本数も観客動員数も減少が止まらない。
メジャースタジオは、人気シリーズ作品への依存度をますます高めていて、オリジナル脚本や監督主導の作品は足場を失いつつある。
ハリウッド映画は、このまま歴史的役割を終えることになるのか?
ポップカルチャーの最前線を追い続けている著者が、2020年代に入ってから公開された16本の作品を通して、今、映画界で何が起こっているかを詳らかにしていく。
【佐久間宣行 氏 絶賛!】
「何もかもが変わってしまう時代に、それでも希望を見出すためには、ここまで現実を直視し続けることが必要なのだろう。新しい戦いを始めるための知識を詰め込んだ、武器のような本だ」
【目次】
第一章 #MeToo とキャンセルカルチャーの余波
『プロミシング・ヤング・ウーマン』――復讐の天使が教えてくれること
『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』――男性監督が向き合う困難
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』――作品の豊かさと批評の貧しさ
『カモン カモン』――次世代に託された対話の可能性
第二章 スーパーヒーロー映画がもたらした荒廃
『ブラック・ウィドウ』――マーベル映画の「過去」の清算
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』――寡占化の果てにあるもの
『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』――扇動されたファンダム
『ピースメイカー』――疎外された白人中年男性に寄り添うこと
第三章 「最後の映画」を撮る監督たち
『フェイブルマンズ』――映画という「危険物」取扱者としての自画像
『Mank/マンク』――デヴィッド・フィンチャーのハリウッドへの決別宣言
『リコリス・ピザ』――ノスタルジーに隠された最後の抵抗
『トップガン マーヴェリック』――最後の映画スターによる最後のスター映画
第四章 映画の向こう側へ
『TENET テネット』――クリストファー・ノーランが仕掛けた映画の救済劇
『DUNE/デューン 砂の惑星』――砂漠からの映画のリスタート
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』――2010年代なんて存在しなかった?
『TAR/ター』――観客を挑発し続けること -
【推薦!】
蓮實重彦 氏(映画評論家)
「ネオレアリズモ」をいかに相対化するか。
古賀太は、イタリア映画を語る者に求められるこの最低限の資質を、ディーヴァ映画の優雅さや、デ・シーカ主演のカメリーニの秀逸なコメディを語ることで、軽々と超えて見せた。
【豊かな映画文化はなぜ生まれたのか?】
『無防備都市』『自転車泥棒』『道』『8 1/2』『情事』『山猫』『荒野の用心棒』『木靴の樹』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ライフ・イズ・ビューティフル』『君の名前で僕を呼んで』……
数々の名作を生み、日本でも絶大な人気を誇るイタリア映画。
アメリカやフランスに比べて、その文化の全容が語られる機会は少ないものの、世界の映画史に大きな影響を与えてきた。
本書ではイタリア映画の歴史を、19世紀から現代までの120年を、約800の作品とともに通覧。
「イタリア映画祭」を立ち上げた著者がその豊かな文化的土壌と、映画の本質を明らかにする。 -
【「個人作家」としての新海誠の特異性が明らかに】
『君の名は。』と『天気の子』が大ヒットを記録し、日本を代表するクリエイターになった新海誠。
11月11日には最新作『すずめの戸締まり』が公開予定であり、大きなヒットが期待されている。
しかし新海は宮崎駿や庵野秀明とは異なり、大きなスタジオに所属したことがない異端児であった。
その彼がなぜ、「国民的作家」になり得たのか。
評論家であり海外アニメーション作品の紹介者として活躍する著者が、新海誠作品の魅力を世界のアニメーションの歴史や潮流と照らし合わせながら分析。
新海作品のみならず、あらゆるアニメーションの見方が変わる1冊。
【主な内容】
■新海誠が目指す「絆創膏」としてのアニメ
■100年に渡る「個人作家」の歴史から見る新海誠
■国民的作家になる予兆は新海誠が手掛けた「Z会のCM」にあった
■観客の感情移入を生む新海作品の「棒線画性」とインタラクティブ性
■新海作品の「現実の肯定」と21世紀のアニメーションの文脈
■ディズニーと真逆の方法で「感動」を生み出す
■エイゼンシュテイン・ディズニー・新海誠
■新海誠はあえて人間を描かない
■人間よりも背景が生きている
■人間を動物として捉える
■「文芸作家」としての新海誠
■新海作品とオカルト
■20世紀のアニメーションの常識を覆した『彼女と彼女の猫』
■現代の寓話としての『ほしのこえ』
■『秒速5センチメートル』の「人間不在」と「過剰なまでの一体化」
■『言の葉の庭』の「キャラっぽさ」の不在
■『君の名は。』に見る新海作品の人間観
■『天気の子』のポピュリズム性 -
観るよりも働く方が人生楽しい!? 80年代以降、『テレーズ』『ギャルソン!』『ガーターベルトの夜』『サム・サフィ』『TOPLESS』『ミルクのお値段』『パリ猫ディノの夜』等の配給作品のヒットでミニシアター・ブームをつくりあげた立役者の一人である著者が、長きにわたって関わった配給、バイヤー、宣伝等の現場における豊富なエピソードを交え、仕事の難しさや面白さ、やりがいを伝える一冊。業界で働きたい人のための「映画業界入門書」である一方、ミニシアター・ブーム時代の舞台裏が余すところなく明かされており、映画愛好家にはたまらない必読書である。
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