『ラブストーリー、日暮 ミミ♪(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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愛は格差をも越えるのだ!!
大財閥〈篠沢(しのざわ)グループ〉の先代会長だった父の急死を機に、17歳でその後継者となった一人娘の絢乃(あやの)。
そんな彼女を献身的に支えるのは、8歳年上の秘書・桐島(きりしま)貢(みつぐ)。彼は自身をパワハラから救ってくれた絢乃に好意を抱いていて、その恩返しに秘書となったのだった。
絢乃もまた桐島に初めての恋をしていたが、自分の立場や世間の注目が彼に集まってしまうことを危惧して、その恋心を内に秘めていた。
ところがある日の帰宅時、桐島の車の中で彼にキスをされたことにより、絢乃は彼の自分への秘めた想いに気づいてしまう──。
初恋に揺れ動くキュートなお嬢さま会長と、年上ポンコツ秘書との身分の差・境遇の格差を越えたラブストーリー。
減筆版として、よりスタイリッシュにより胸キュン♡な内容に生まれ変わりました♪ -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
紆余曲折を経て、桐島との初恋を実らせた絢乃。そんな彼女にとって、彼を苦しめてきたパワハラ問題の解決は恋人としての大きな責務であり、初めて手がける大仕事だった。その大問題も収束し、カップルとして幸せな日々を送っていた二人だったが、桐島は恋愛において大きなトラウマを抱えていた。絢乃はその事実を知り、「一緒に少しずつ乗り越えていこう」と彼に寄り添う。そんな矢先、二人を試練が襲う!年の差オフィスラブ、堂々のフィナーレ! -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
大財閥会長の一人娘・篠沢絢乃は両親から愛情を惜しみなく注がれ、17歳の心優しい女の子に育った。そんな彼女の運命は父・源一が病に倒れたことを機に大きく動き出す。同じ頃、絢乃は父の会社の社員である桐島貢と出会い、彼の優しさや誠実さに惹かれていく。これが彼女にとっての初恋だった。そんな絢乃は余命幾ばくもない父から、「お前にグループ経営の全権を譲る」と遺言を遺される。けれど、親族からの猛反発に遭い……!? 初恋に揺れ動くキュートなお嬢さまと、不器用な青年との年の差・身分の差・境遇の格差を越えたラブストーリー開幕! -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
取締役会で過半数の承認を得て、無事に〈篠沢グループ〉の会長兼CEOとなった絢乃は、学校に仕事にと多忙な日々を送っていた。そして、秘書となった桐島貢への恋心も日々大きくなっていくことを感じていたけれど、初恋ゆえに自分からアクションを起こしていいものかと迷っていた。ところが三月下旬のある日の帰り、絢乃は桐島から不意討ちでキスをされてしまい……!?ドキドキの第2巻、お楽しみに! -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
桐島の兄・悠は「会社で何かあった時のために」と絢乃と連絡先を交換し、弟と絢乃を二人きりにするために会社を後にした。
桐島と二人になった絢乃は、改めて前日に彼が自分にキスをした理由を訊ねる。と、彼は素直に話してくれた。
自分は初めて出会った夜に一目惚れをして以来、ずっと絢乃に一途な恋心を抱いていたのだ、と。
そして、パワハラに遭っていた自分を救ってくれたのは絢乃だったのだ、とも。
絢乃の自分への想いにも薄々は感づいていたものの、自惚れているのかもしれないと思い考えないことにしていたらしい彼は、絢乃に嫌われることをいちばん恐れていた。
そんな彼の素直な想いを聞いた絢乃は自分からも彼に告白し、「わたしは貴方のことを絶対に嫌いにならないから」と言う。
こうして、二人は晴れて両思いになり、絢乃は生まれて初めて彼氏ができた喜びを噛みしめるのだった――。 -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
秘書の桐島、彼の兄・悠と3人で茶話会を始めた絢乃は、そこで始まった桐島兄弟のケンカに心がほっこり和んでいた。
そして、桐島がかつてバリスタを目指そうとしていたのに、それを諦めた原因が、兄がやたらと一緒にイケメン喫茶をやりたがっていたからだということも知った。
そんな中、絢乃は桐島がパワハラ被害に遭っていたことに早く気づけなかった自分に責任を感じていて、「大好きな彼のためにも、自分が何とかしなければ」と決意するのだが……。 -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
桐島の兄・悠を会長室に迎え入れ、絢乃は桐島兄弟と3人で休憩を取ることに。
桐島貢が給湯室でコーヒーの準備をしている間、絢乃は悠と二人で前日のことについて話していた。
そこで絢乃は、貢もまた絢乃のことが好きなのだと悠から聞かされる。
理由を訊ねると、彼は兄に「自分は絢乃さんに救われたんだ」と言っていたのだという。が、絢乃にその自覚はなかった。
悠は言う。「アイツは前にいた部署で、上司から日常的なパワハラを受けていたのだ」と。それが原因で、退職まで考えていたのだと。
でも、絢乃に出会ったことで元気と前に進む勇気をもらった彼は、退職を思い留まったらしい。――自分の言動で、大好きな彼が前向きになれたことを絢乃は誇らしく思った。
そして、悠に自分の貢への気持ちをズバリ言い当てられた絢乃は激しく動揺するけれど……。 -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
桐島ひとりを会長室に残し、絢乃は彼の兄・悠を一階まで出迎えに行く。
彼は前日、弟からキスの一件を電話で聞かされ、二人のためにひと肌脱ごうと会社までやってきたのだった。
あの一件をどうにかしなければと思いつつも、自分ではどうしていいのか分からなかった絢乃にとって、悠の来訪は「渡りに船」だった。
兄弟のいない彼女は、頼りがいのある兄を持つ桐島が羨ましく、また明るく正直な悠に恋愛感情抜きで好ましい印象を持つけれど……。 -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
桐島にキスをされた日の夜、絢乃は電話で親友の里歩にそのことを報告する。
「明日からどんな顔して彼と顔を合わせたらいいか分からない」と言う絢乃に、里歩は言う。「いつもとおんなじようにでいいんじゃない?」と。
ところがその翌日、恋愛初心者の絢乃は桐島のことを意識しまくり、彼もまた絢乃にしでかしたことを引きずっており、気まずさから二人は仕事でもミスをしまくっていた。
そんな中、夕方近くになって事態が急転! 桐島のスマホに、彼の兄・悠から一本の電話が。
「今、会社の近くにいるんだけど会いに行っていいかな?」――スピーカーフォンにした電話で、彼は弟そっちのけで絢乃にそう言う。
どうやら悠は、二人の救世主になろうとしているようで……!? -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
学年末の3月下旬。日頃の疲れが溜まっていた絢乃は、帰りに秘書の桐島の愛車の助手席で完全熟睡してしまっていた。
その途中で車が大きな交差点に引っかかって急停車し、次の瞬間唇に何やら柔らかな感触を覚えた絢乃は目を覚ます。するとそこには、運転席から身を乗り出した桐島の顔が至近距離に見えていた!
なんと、眠っている間に彼にキスをされていたのだ……!
彼は自分自身が犯した失態に青ざめ、「クビにでも何でもして下さい!」と悲痛な声で拝み倒す桐島だが、絢乃は「貴方に辞めてもらっちゃ困る」と彼を宥める。
そして、どうしてあんなことをしたのかと彼に訊ねるが、彼の弁解は要領を得ない。
「貴方って、わたしのこと好きなの?」――直球で質問をぶつけてみたけれど、彼は答えてくれず、絢乃はただモヤモヤするばかりだった……。 -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
桐島がおひとりさまだと判明した翌日の放課後、絢乃は学校で親友の里歩から「桐島さんとの関係に進展はないの?」と訊ねられ、「ない」とキッパリ答えた。
男女が密室に二人きりで何もないのは、彼が何もアクションを起こそうとしないからだと言う絢乃に、里歩は「アンタからアクション起こしてみたら?」とアドバイス。「たとえば、絢乃の方からキスしちゃうとか」と。
「ファーストキスだからムリムリ!」と絢乃が慌てているところへ、彼女を迎えに来た桐島がひょっこり顔を出す。
彼に話を聞かれた⁉ と焦る絢乃だったが、彼は「聞いていません」と答え、とりあえずホッとするのだった。
そして迎えた、絢乃にとっては本当に初めてのバレンタインデー当日。
家政婦の史子さんの協力もあり、絢乃は無事に手作りチョコを桐島に渡すことに成功!
「お返しは気にしなくていいから、誕生日プレゼントは期待していい?」と言う彼女に、桐島は「善処します」と満更でもない様子。
その翌日から、絢乃に対する彼の態度に少し変化が……。それはまるで、絢乃のことを異性として意識しているようで……⁉ -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
秘書の桐島が会長室に戻り、絢乃の休憩タイムが始まった。
美味しいガトーショコラを味わいながら、絢乃は間近に迫ったバレンタインデーで、桐島に贈るチョコについて考える。
ふと我に変えると、じっと彼女の口元を見つめる桐島の視線に気づく。まさかキスしようとしている⁉ ……慌てふためく絢乃だったが、その反応は的外れで恥ずかしいやら気まずいやら。
でも、桐島に彼女がいないことが分かり、彼と両想いになれる可能性がゼロではないことに絢乃は希望を見出す。
帰りの車の中で助手席に乗り、彼に「会長」ではなく「絢乃さん」と名前で呼んでもらえることは、絢乃にとって彼との程よい距離感を感じられる幸せでもあった。
明日も彼に会える――。そう思えるから、恋するオトメである絢乃は多忙な日々を頑張ることができたのだった。 -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
株主総会・就任記者会見を終えた翌日から、絢乃の会長としての日々がスタートした。
取引先への挨拶回り、取材、決裁に部署の視察……。やるべきことはたくさんあったが、彼女は精力的にこなしていた。学校生活ともうまく両立できていて、彼女の日々は充実していた。
それはすべて、母・加奈子と秘書である桐島のおかげ。特に桐島は、絢乃以上のハードワークをこなしているのに文句ひとつ言わない。
絢乃はそんな彼に感謝していた。
でもそれは、彼女にとっては悩ましい日々の始まりでもあった。
会長室でも、送迎の車内でも密室で好きな人と二人きり――。なのに桐島は、そんな状況でも絢乃に何のアクションも起こしてくれない。
そして、絢乃からもアクションを起こすことはできなかった。なぜなら、彼女の恋はオフィス内での最高機密――トップシークレットだったから……。 -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
株主総会終了後、無事に会長就任が承認された絢乃は桐島と二人で会長室へ初めて足を踏み入れる。
室内には父が働いていた痕跡が溢れかえっており、絢乃は亡き父の存在を感じ取った。
席に着くと、桐島が「自分の淹れたコーヒーを飲んで頂きたい」と提案してくれたので、絢乃は素直にお願いする。
ほんの束の間ひとりになった絢乃は、父の苦悩や思いについて考えていた。
よそ者だったにもかかわらず会長となり、親族から爪はじきにされていた父が、味わった苦労はいかほどのものか――。
桐島が戻り、彼が淹れてくれたコーヒーの味に感服していると、実は彼が昔、本気でバリスタの資格を取ろうとしていたことが分かる。
今はわざわざその自前の道具を持ち込み、豆から淹れてくれたことも……。
「どうしてそこまで」と訊ねる絢乃に、彼は建前の理由しか話してくれなかったが、その本心は……? -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
篠沢商事のビルに着き、会長専用のIDカードも受け取り、絢乃は桐島・母と三人で株主総会の会場である二階の大ホールへ。
そこは約三ヶ月前、父が倒れた場所でもあったので、彼女は何だか因縁めいたものを感じる。
開始時刻までステージ袖で待つことになった絢乃たちは、そこで司会進行を務めることになっていた久保という男性社員に声をかけられた。
彼は総務課の社員で、桐島と同期。そして絢乃に対して色目を使うほどのプレイボーイだった!
そして始まった株主総会。絢乃は緊張のあまりうまく呼吸ができなくなってしまうが、桐島の機転でどうにかリラックスすることができ、ステージでスピーチを始める。
自身の思いと、父が成し遂げたかったことを言葉にして――。 -
恋に仕事に大忙し! 放課後トップレディ、始めました。
取締役会から二日後。いよいよ絢乃の会長就任発表の場である株主総会、および就任記者会見の日がやってきた。
彼女はスーツではなく学校の制服を身にまとい、戦へ臨む若武者のような心境で母とともに会社へ赴く。
「生半可な覚悟で会長の仕事と学業が両立できるわけがない」と思った彼女は、制服を戦装束として選んだのだった。
そしてこの日が、秘書であり恋の相手でもある桐島に、絢乃が自身の制服姿を見せる初めての機会でもあった。
まだ彼の気持ちを知らずにいた絢乃は、彼に制服姿を褒めてもらい、胸の高鳴りを抑えられない。
絢乃が歩んでいこうとしている道は、険しい道のり。それでもひとりで責任を背負っていくつもりの絢乃に、桐島と母は言う。「あなたはひとりではない」と。
よく晴れた冬空の下、絢乃は亡き父に誓う。
「パパがやりたかったことを、わたしが実現するからね」と。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
後任の会長を決める、篠沢グループの緊急取締役会が始まった。
加奈子は亡き夫で前会長だった源一の遺言状を読み上げ、改めて絢乃を会長候補として推挙。絢乃自身も学業と両立させつつ会長の務めを頑張りたいと決意を語る。
ところが、絢乃の大叔父・兼孝の長男が異を唱え、自分の父親の方が会長にふさわしいと宣言する。兼孝は年長者だから、グループの体裁が保てるのだ、と。
そこで絢乃たち親子に加勢してくれたのは、篠沢商事社長で執行役員でもある村上だった。
彼は二つの根拠を示し、絢乃こそが会長にふさわしいと兼孝の長男を論破。
挙手による投票で、絢乃は反対勢力からの支持も得て、圧倒的大差で会長に選任される。僅差での苦戦を強いられることも覚悟していた絢乃だったが、勝利できたのは村上のおかげだと彼に感謝する。
その帰りの車内で、絢乃は桐島に電話をかけて会議の結果を報告する。
就任の日に、彼もまた絢乃の秘書に着任することが決まっていたので、「一緒に頑張りましょう」と。
彼と一緒なら戦える――。絢乃は自分の中に、ムクムクと闘志が漲るのを感じたのだった。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
父のお骨上げも終わり、帰宅する車内。絢乃は母から、新会長を決めるための緊急取締役会を召集すると聞かされる。
何でも、反対派が対立候補として絢乃の祖父・宗明の弟で大叔父にあたる兼孝を擁立するらしいのだ。
けれど、絢乃の勝利は確実だと太鼓判を押され、さらに母から桐島に学校から会社までの送迎を頼んでしまう。
絢乃は遠慮したが、本人が「引き受ける」と快諾したので彼女に断る理由はなくなり、彼の厚意に素直に甘えることにする。
絢乃は自身が会長に就任すれば、学校生活と会長の仕事とを両立させなければならないと考える。
生半可な覚悟では二足のわらじを成立させるのは難しい。――そう考えた絢乃は、母に協力を頼むことに。
そしてその二日後、絢乃は母と共に、緊急取締役会に臨む。ある決意をもって――。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
火葬場へ到着した絢乃は、父に付いていた秘書の小川夏希が配置換えで社長の村上に付くことになったことを知る。
彼女の言葉から、絢乃は気づく。桐島の異動先が秘書室であることに。そして、小川の後任が彼であることにも――。
父の亡骸が荼毘に付されている間、振舞いの席で親戚から散々父のことを非難され、自分が後継者となったことにも難色を示された絢乃は気分がすぐれなかった。
そんな彼女を、桐島が気を利かせて待合ロビーまで連れ出してくれる。
先に帰っていた親友・里歩からのショートメッセージから元気をもらい、桐島とのちょっとした会話に心安らぎ、彼にグチや弱音を聞いてもらったことで、彼女の気持ちにもゆとりが戻ってくる。
そして、彼女は確信する。「やっぱり小川さんの後任者は彼なのだ」と。
彼と一緒なら何でもできる――。絢乃と桐島との間に、確かな絆が生まれた。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
父・源一の病状は年末にかけて悪化し、とうとう主治医の後藤医師から最悪の事態も覚悟しておいてほしいと言われた絢乃。
その夜電話をくれた桐島にその話をすると、彼は「絢乃さんの方が心配だ」と言う。電話の声だけで、彼女がムリをしていることを見抜いたらしい。
「つらい時には泣いてもいい」、「僕でよかったらいくらでも泣き言を聞きます」という彼の厚意を、絢乃は「今は泣く時じゃないから」とやんわりと断る。
彼との電話の後、彼女は自分がこんなにも脆い人間だったのかと改めて気づく。「彼に側にいてほしい」と。
父・源一は年明けの三日に息を引き取り、その翌日に葬儀が行われた。
実はこの後、絢乃と加奈子は親族との大バトルを控えていて……。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
里歩と桐島を無事見送り終えた絢乃は、父・源一が休んでいる両親の寝室へ。
父の背中をさすっていた彼女は、すっかり痩せてしまって背骨が当たる感覚に、「これが死期が迫った人の背中なのか」と胸を詰まらせる。
そんな父から、「グループ総帥としての全権をお前に一任する」と言われ、遺言状まで見せられ、ずっと必死に泣くまいと思っていた絢乃も堪えきれずに号泣してしまう。
母・加奈子はそんな絢乃を気が済むまで泣かせてくれ、「遺言状の内容は自分も知っている」と絢乃を驚かせる。
篠沢一族の中には、母と敵対している親族もいる。それでも、母も里歩も、桐島も自分の味方だから大丈夫だと、絢乃は後継者としての自分の立場を受け入れることを決意する――。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
こうして始まった、篠沢家でのクリスマスパーティー。
絢乃が作ったケーキは好評で、里歩も桐島も喜んでくれた。もちろん、甘いものがあまり好きではないが、娘のお手製スイーツなら食べてくれる父・源一も――。
絢乃・里歩・桐島が部活談議で盛り上がる中、東京に雪が降る。そしてその雪は、見る見るうちに積もっていく。
窓の外の雪景色を眺めながら、絢乃は呟く。「この雪は、もしかしたら最後のクリスマスを過ごす父への、神さまからのプレゼントなのかもしれない」と。
夜の八時過ぎ、本当は体調が悪いのにムリをしていたらしい源一が「疲れたので先に休む」と言ってリビングを出ていく。
そして八時半過ぎ、里歩が、そして貢までもが帰ることに。
淋しさを隠せない絢乃は彼を引き留めるが、彼はそんな絢乃に「自分の新車を見てほしい」と言い、二人は屋敷の前の駐車スペースへ。
彼の車の前で、話は彼の異動先の話題になるが、彼は「打ち明ける時が来ない方がいいのかもしれない」と悲しげに言う。
それは、絢乃の父に命のタイムリミットが迫っているということを意味していた……。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
絢乃はクリスマスパーティーに桐島を招待すべく、彼に電話する。
「僕なんかがおジャマしてもいいんでしょうか」と恐縮する彼に、絢乃は切り札を使って断りづらくした。「父も貴方に来てほしがっている」と。
実はこれはハッタリだったのだが、効果はてきめんだった。
クリスマスイブ当日、まず里歩が、そして桐島が篠沢邸にやってきた。
初対面だった桐島と里歩は、その場でお互いに自己紹介を始める。彼が絢乃だけでなく里歩にも敬語を使うのを見て、二人は戸惑う。
キッチンでケーキを食卓に出す準備を始めた絢乃と里歩。二人は恋バナに花を咲かせる。
里歩は絢乃に「桐島さんに告らないの?」と訊ねるが、絢乃は「今は恋愛どころじゃないから」と淋しそうに答える。
一方、桐島は絢乃の父・源一と何やら大事な話をしているようで……。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
自分の中に初めて芽生えた、桐島への恋心を自覚した絢乃は、そのことを電話で親友の里歩に報告する。
「父親が重病で苦しんでいるのに、恋なんかで浮かれていて不謹慎ではないか」と気にする絢乃の背中を、里歩は「こういう時にこそ、心の支えになってくれる人が必要」と力強く押してくれた。
治療の副作用に苦しみながらも懸命に生きようとする父・源一にも同じ報告をすると、父は言う。「お前のウェディングドレス姿が見たかった」と。
その遺言のような言葉が、結婚式当日まで絢乃にとって唯一の悔いになっていたが、夫となる桐島の一言で彼女は救われた。
それ以来、頻繁に彼と連絡を取り合うようになっていた絢乃はある日の夕方、桐島への電話で彼が異動に向けて動き出していることを知った。
彼は絢乃に転属先の部署を教えてくれず、絢乃はモヤモヤ。
そんな中、その年もクリスマスシーズンを迎え……。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
夕方まで自分の部屋で茫然自失になっていた絢乃に、桐島から電話がかかってくる。
彼は父親のために涙を流した絢乃を「優しい」と評価し、父の余命を「あと三ヶ月しかない」と悲観せず、「あと三ヶ月もあるのだ」とポジティブに捉えてほしいと彼女にアドバイスをする。
電話を終えたあと、絢乃は自分の中に芽生えた恋心に気づく。
「わたし、桐島さんのことが好きなんだ」と……。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
午後の授業が始まってすぐ、絢乃のスマホに母から電話がかかってきた。
その電話で母が告げた父の病名は、末期ガン。余命はもって三ヶ月だという――。
父のことが心配な絢乃は、母の助言もあり、その日は学校を早退することに。
迎えにきた車の中で気が済むまで泣いた絢乃は、桐島にショートメッセージを送る。
「貴方の声が聞きたい。何時でもいいです。連絡下さい」と。
家に帰り、父本人に話を聞くと、彼は落ち着いた様子で自分の現実を受け入れていた。
心が乱れてしまった絢乃は、クールダウンのためにひとり、自室へ戻るが……。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
入浴後の絢乃は、ふと桐島の言葉を思い出す。
彼が恋人にも同じように言っているのかと思った瞬間、彼女は胸のかすかな痛みを覚える。それが恋だと気づかないまま――。
翌朝、新宿駅のホームで親友の中川里歩と合流した絢乃は、彼女に前日の出来事を打ち明ける。里歩は絢乃に、「お父さんが倒れたのは大変だし心配だ」と励ましの言葉をかけるのと同時に、彼女が桐島に出会ったことを「恋の始まりだ」と言ってからかう。
明るい親友とのやり取りに、落ち込みかけていた絢乃の気持ちも軽くなるが、父の一大事を現実として受け入れなければならないことを、「名家に生まれた子供の宿命だ」と重く受け止めており……。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
帰宅した絢乃はまず、桐島と話していたことを母・加奈子に伝える。
そして、自分では病院嫌いの父を説得するのは難しいので、母に説得してもらえないかと頼む。
母とともに父の元へ行き、病院での受診を勧めてみると、母の説得の甲斐もあり、父は翌日友人である大学病院の医師に診察してもらうことを了承する。
自分も一緒に行きたいと言う絢乃だったが、母から「いつもどおり学校へ行きなさい」と言われ、納得がいかない。
桐島に早速電話でそのことを伝えた絢乃は、彼からも説得され、病院への付き添いを断念する。
生れて初めての、男性への連絡は彼女にとってはすごい冒険だったが……。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
絢乃が「父の誕生祝いは今年が最後になるかもしれない」と言ったことで、車内には気まずい空気が……。
とっさに空気を読んだ桐島は、絢乃の将来の結婚相手について話題を飛ばす。
絢乃はたじろぎながらも、結婚相手の条件について話す。「相手には婿入りしてもらわなければならないので、長男ではないことが条件」と。
そして、桐島も次男であることから、彼も婿候補として十分当てはまるのだと伝える。
この時はまだ、それが現実になるとは知らずに――。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
無事にパーティー終了の挨拶という重責を終えた絢乃。ところが、自分が帰宅する手段がまだ決まっていなかったことを思い出す。
桐島からそのことを訊ねられた絢乃は、「大通りでタクシーでもつかまえるから何とかなる」と答えるが、彼は「自由が丘までタクシーなんてもったいない!」と、自分の車で絢乃を送ると言い出す。
ただし「軽自動車だけれど、それでもよければ」と言う彼の厚意に、絢乃は素直に甘えることに。
初めて助手席に乗せてもらい、上機嫌の絢乃。けれど、彼女にはある予感がしていた。
「父はもう長くは生きられないかもしれない」と――。 -
悲しみから始まる、わたしの初めての恋――。
両親が帰宅した後、母・加奈子に頼まれたとおりにパーティー終了まで見届けるべく、会場に残った絢乃。
そんな彼女と相席を求め、桐島が彼女のテーブルまでやってくる。
彼が招待客ではないことを承知しており、その理由を問うた絢乃は、桐島がパワハラ上司の命令で代理で出席させられていることを知り、心を痛める。
同時に彼のお人好しさに呆れるものの、その優しい人柄には惹かれていくのだった……。 -
悲しみから始まる、わたしの生れてはじめての恋――。
大財閥〈篠沢(しのざわ)グループ〉の先代会長だった父の急死を機に、17歳でその後継者となった一人娘の絢乃(あやの)。
そんな彼女を献身的に支えるのは、8歳年上の秘書・桐島(きりしま)貢(みつぐ)。彼は自身をパワハラから救ってくれた絢乃に好意を抱いていて、その恩返しに秘書となったのだった。
絢乃もまた桐島に初めての恋をしていたが、自分の立場や世間の注目が彼に集まってしまうことを危惧して、その恋心を内に秘めていた。
ところがある日の帰宅時、桐島の車の中で彼にキスをされたことにより、絢乃は彼の自分への秘めた想いに気づいてしまう──。
「僕、恋愛小説によくいるようなヒーローっぽくないですよ? カッコよくもないし、平凡だし、強くもないです」
こんなことまで自分で言ってしまう、ヒーローらしくない等身大ヒーローの桐島に、絢乃はますますキュンキュン♡
初恋に揺れ動くキュートなお嬢さま会長と、年上ポンコツ秘書との身分の差・境遇の格差を越えたラブストーリー。 -
絢乃と桐島との出会いは、絢乃の父・源一の四十五歳の誕生日の夜。
身内として母と一緒にパーティーに出席していた絢乃は、体調を崩していた父を探して会場内をウロウロしている途中に偶然見かけた桐島のことが気になり、目礼を交わす。
まだ恋というものを経験したことがなかった彼女は、その後も彼の存在が気になっている自分に対して奇妙な感覚を覚える。
やっとのことで発見した父はバーカウンターで飲酒を楽しんでおり、絢乃は母とともに「飲酒はダメ」と咎めながらも、子供のようにダダをこねる父が憎めず、結局はそれを許してしまう。
が、父はその後目眩を起こして倒れ、そのまま母とともに帰宅することとなってしまう。
絢乃は父の代わりにパーティー終了まで見届けるよう、母から頼まれるが……。
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