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『アルテスパブリッシング(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~51件目/全51件

  • 「神様から息子は授からなかったけれど、君はぼくの息子だ」
    孤独なオペラ王と若きアシスタントの心あたたまる物語。

    「ぼくのために働かないか」
    ペルーの5つ星ホテルで働く青年ティノ。
    それまでオペラを聴いたこともなかったホテルボーイに声をかけたのは、
    世界一のテノール歌手だった──。

    何十個ものスーツケースに詰め込んだタキシードとアロハシャツと食料と調理器具、
    プライベートジェットでめぐる世界ツアー、熱狂する聴衆と国家元首も参加するガラ・ディナー、
    豪邸と別荘、花火まで打ち上げるパーティ、度重なる手術と再起への飽くなき願望……。

    本書は、パヴァロッティが亡くなるまでの13年間、
    もっとも信頼し、身近に置いて心を通わせた
    「最後のアシスタント」による回想録。
    溌剌としてみずみずしいユーモアあふれる文体から、
    素顔のパヴァロッティの人間的魅力が伝わってくる。
  • 音楽家たちは旅をする。国家の密命を携えて──
    『クラシックでわかる世界史』の著者が放つ近世ヨーロッパ音楽歴史絵巻!

    外交官の使命をおびて旅したフローベルガー。
    メディチ家からフランス王家に嫁ぎ、芸術外交を展開した王妃たち。
    ドイツの小国ハノーファーを国際舞台に引き上げたステッファニ。
    英国の新王朝樹立をめざして暗躍したヘンデル。
    海上覇権をあらそう英西間で争奪戦となったカストラート歌手ファリネッリ。
    3つの継承戦争に巻き込まれたバッハ──

    旅する音楽家たちが動かした世界史の真実とは!

    大人気ベストセラー『クラシックでわかる世界史』の
    著者が放つ近世ヨーロッパ音楽歴史絵巻!
  • ジェンダー、人種、死……
    歌と自己が混じりあい、音楽は啓示となる。
    英国を代表する世界的テノール歌手が
    音楽の「隠された歴史」にせまる!

    「自分はこれらの曲を演奏すべきなのだろうか?
    自分にははたしてそんなことをする権利があるのだろうか?
    自分自身のアイデンティティは、
    ことばや音楽になって提供されている数多くのアイデンティティに
    どのようにつながっていくものなのだろう?
    また作曲家や詩人のアイデンティティにどうつながるのだろう?」
    (本書第2章より)

    歌をうたうとき、歌い手の自己はどのように変容するのか──。

    「音楽の解釈者のなかでももっとも才能ある文筆家」(アルフレート・ブレンデル)と評される英国随一のテノール歌手イアン・ボストリッジが、「ダフ・クーパー賞」(すぐれたノンフィクション作品にあたえられる英国の権威ある文学賞)を受賞した前作『シューベルトの「冬の旅」』(小社刊)に続いて世に問う音楽論。

    ジェンダー、人種、死をめぐり、モンテヴェルディ、シューベルト、シューマン、ラヴェル、ブリテンなどの作品を考察し、音楽の「隠された歴史」にせまる!

    ◎本書に登場する音楽作品

    モンテヴェルディ『タンクレディとクロリンダの戦い』
    シューベルト『冬の旅』
    シューマン『女の愛と生涯』
    ラヴェル『マダガスカル島民の歌』
    ブリテン『カーリュー・リヴァー』『戦争レクイエム』『ヴェネツィアに死す』ほか
  • 秘められた〈音楽の知〉を可視化する!
    作曲家の視点から〈聖典〉にメスを入れ、
    バッハの意図と創作過程を明らかにする。

    ※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    現代日本を代表する作曲家のひとりである著者が、ドイツ・バロック音楽の総決算にして、バッハのキャリア前半の「白書」ともいえる《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》全24曲を、各曲ごとの解説と書き込み入り楽譜(2色刷)で読み解く。

    現代の作曲家の視点によるピアノ演奏実践への手引きとして活用できるだけでなく、当時の作曲における慣例や伝統を知り、創作過程をたどることのできる刺激的なバッハ論ともなっている。

    対位法・フーガ・調的連関によってネットワーク化され、重層構造をなす作品の様相から、バッハの革新性にせまり、そこに秘められた〈音楽の知〉を可視化する!
  • 聴いて楽しむ名曲の宝庫へようこそ!
    そのルーツ、輸入史、日本の作編曲家たち──
    吹奏楽の魅力を語り尽くす画期的なガイド誕生!

    全国で演奏され親しまれてきた50曲を厳選し、
    輸入(海外)編と国産(日本)編に分けて紹介。
    ホルスト、リード、兼田敏などの定番曲から、
    ティケリ、ジョン・マッキー、挾間美帆の最新作まで、
    作曲家の特徴やプロフィール、曲の聴きどころ/吹きどころ、
    コンクールでの位置づけなどを徹底的に掘り下げます。

    軍楽隊として日本に入ってきた吹奏楽が
    部活動として定着するまでの歴史もたどり、
    CDガイドとコラム、プレイリスト、索引も充実。

    吹奏楽を心から愛してやまない漆畑奈月と
    ジャンルをまたいで活躍する音楽ライター小室敬幸が、
    楽器を演らない音楽好きにもアピールする
    吹奏楽の魅力を熱く、濃く、深く語り下ろす
    画期的な吹奏楽ガイドの登場です!
  • 傷ついた魂を癒やす、チェロの調べ──
    介護にたずさわる人、認知症の家族をもつ人、
    死を前に不安をかかえるすべての人に贈る感動の物語!

    重度の自閉症患者、認知症の高齢者、終末医療を受ける患者のかたわらで、
    20年以上にわたってチェロを弾きつづけてきたフランス人チェリスト。
    音楽がもたらす癒しと出会いの体験をつづった感動の物語。

    2021年のフランス「音楽家の本」賞を受賞し、
    英語、ドイツ語をはじめ4カ国語に翻訳された話題の書がついに邦訳!
  • 誰にも頼れない時代をサヴァイヴする!
    仕事を始めてすぐに必要となる知識からキャリア形成の考え方まで、
    芸術面でも経済面でも成功を収める術を実践的にアドバイス!

    オペラ歌手としてキャリアを歩んだのちビジネス界に転身し、
    現在は音楽家やアンサンブルのコーチング、芸術団体やスタートアップ企業のアドバイザーとしても活躍する著者が、
    若い音楽家たちに欠かせないビジネス面の考え方や基礎知識を懇切丁寧かつ実践的に指南する。

    自分の売り込み方、ギャラの交渉、SNS活用術、写真や動画の見せ方、
    ファンとの付き合い方、クラウドファンディングの極意、資金管理……

    ワレリー・ゲルギエフ(指揮者)絶賛!
    「自分の音楽仲間にこの本を推薦したい」

    誰にも頼れない時代を音楽でサヴァイヴするためのバイブルが登場!

    「COVID-19時代のためのまえがき」を新たに書き下ろし!
  • 「理想のコンクール」とは?──
    辻井伸行とハオチェン・チャンが優勝した第13回を取材した
    世界的なピアノ・コンクールの舞台裏ドキュメント!

    辻井伸行とハオチェン・チャンが優勝した2009年、第13回コンクールの全ドラマと、1200人のボランティアが支える舞台裏を熱くドキュメントする!

    2009年、日本人ピアニスト、辻井伸行さんが優勝したことにより、日本中にその名を知られるようになった「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」。ハワイ大学でアメリカ研究を専攻する著者は、その第13回コンクールの予選から本選までを研究者として取材し、はからずも辻井さんの優勝にいたるドラマの一部始終の目撃者となった。
    テキサスの一地方都市で開催されるコンクールが、チャイコフスキー、ショパンといった世界的な音楽コンクールと肩をならべるまでの権威を獲得し、国際的な成功をおさめるにいたった理由とは? 1200人もの市民ボランティアが支えるコンクールの舞台裏はどうなっているのか? そして、辻井伸行とハオチェン・チャン(中国)が1位、ヨルム・ソン(韓国)が2位と、2009年も入賞を独占したアジア人音楽家たちの活躍の背景にはなにがあるのか──。
    「理想のコンクール」を求める人々の姿を熱くドキュメントした音楽ノンフィクションの快作!
  • 古き佳き伝統と絶えざる革新と──。
    イギリス人がもっとも愛するクラシック曲《揚げひばり》の作曲家、本邦初の評伝。

    イギリスのクラシック音楽専門放送局「Classic FM」のリスナー投票で史上最多回数にわたり1位!
    イギリス人がもっとも愛するクラシック曲《揚げひばり》の作曲家ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)、
    生誕150年を記念して、本邦初の評伝が登場。

    《田園交響曲》《南極交響曲》《天路歴程》《「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント》……

    20世紀の動乱のなか、イギリスの政治や社会を背景として、
    先達エルガー、盟友ホルストらとともにイギリスならではの「国民音楽」を探求し、
    フィンジ、ブリテン、ティペットら後進の作曲家たちを鼓舞しながら
    「イギリスの声」をもとめた85年の生涯と不朽の名作の数々を、
    イギリスを代表するジャーナリストが描ききる。

    近代イギリス音楽史のみならず、
    戦争と音楽をめぐる第一級の資料として、
    いまこそ読まれるべき一冊。
    ──林田直樹(音楽ジャーナリスト・評論家)

    ロンドン在住のヴァイオリニスト小町碧と
    英文学者・高橋宣也による読みやすく格調高い翻訳と、
    日本版だけに掲載された多数の貴重な写真も魅力。

    巻末では、NHK-FM「鍵盤のつばさ」パーソナリティとしても人気の
    作曲家・加藤昌則が9曲の交響曲の聴き方を親しみやすくガイド。
  • 大好きなことで食べていく!
    単身渡米して20年──
    ぼくがアメリカの有名ジャズ誌から
    「日本が輩出した最高のジャズ・ギタリスト」とよばれるようになるまで、
    地道に、けれどポジティヴに続けてきた「自営業成功の秘訣」とは?

    やりたいことを仕事にして、気持ちよく生活していくのは、そんなにむずかしいことじゃない。
    必要なのは自分のもつ「オンリーワン」を知ること、
    ちょっとがんばって「自己アピール」すること、
    何度でも「挑戦」し、うまくいかなければ「道を変える」こと──。

    部活で器械体操に打ちこむも怪我で挫折、
    代わりに見つけたギターの道で生きていくことを夢見て単身渡米した若者が、
    アメリカの有名ジャズ誌から「日本が輩出した最高のジャズ・ギタリスト」とよばれ、
    コロナ禍のロックダウン中、全米一のライヴハウスから唯一の有観客ライヴをオファーされるようになるまで。

    誰でも簡単に実践できる「23のルール」を心あたたまるエピソードとともに紹介。
    音楽やアートで生きていきたいあなたに届ける「自分らしい人生を送るためのTips」!

    人生には、どんなときでも手を伸ばせば届くようなところに、乗り越えていくべき壁があります。そういった壁を前にして、自分なりの解決策を見つけながら、ひとつひとつの壁を確実に乗り越えていくことで、どんなことでもかならず実現できます。
    本書では、誰でも簡単に実践できる「目標―準備―実行―改善」のサイクルをテーマに、ぼくがこれまでの人生、そしてギターと音楽をとおして学んできた、自分らしい人生を送るためのヒントを紹介します。(「はじめに」より)

    ジャズギタリスト|高免信喜|オフィシャルウェブサイト
    https://jp.nobukitakamen.com/
    高免信喜 公式YouTubeチャンネル
    https://www.youtube.com/c/NobukiTakamen/featured
  • 「音響と聴覚」をテーマにした日本初の論集、満を持して刊行!
    内外の研究者による多彩な32の論考+ゲスト10名のエッセイを収録

    音楽学者・細川周平が国際日本文化研究センターで主宰したプロジェクトの成果を刊行。
    「音楽」にとどまらず、自然や人、機械などが発するありとあらゆる音を対象に、
    音を受ける聴覚器官(耳)から発想しながら、音と耳の文化・歴史を問い直す意欲的な論集です。

    執筆陣には、音楽や音響はもとより、文学、映画、映像、メディア、ゲーム、アート、
    美学、歴史、人類学など幅広い分野から内外の気鋭の研究者たちが集い、
    ゲストに大友良英らのアーティストや評論家などを加えた総勢44人が参加しています。

    「響きを聴く──認識と思索」「聞こえてくる音」「戦前期昭和の音響メディア」
    「音が作る共同体」「芸能化の文脈──ラッパと太鼓」
    「鼓膜の拡張──音響テクノロジーの考古学」「ステレオの時代──聴く、録る、売る」
    「物語世界論への挑戦」「サウンドの表現者」「デジタル・ミュージッキング」の全10部で構成。
  • ブラジル独立200周年記念出版!
    広大で豊かなブラジル音楽の歴史から
    名曲200をセレクトし、オススメの音源とともにガイド!

    1899年のカーニバル・ソング第1号から21世紀のヒット曲まで、
    ショーロ、マルシャ、バイアォン、サンバからボサノヴァ、MPB、ヒップホップまで、
    ジャンルと時代、地域を広くカバーしながら、
    ピシンギーニャ、ノエル・ホーザに始まって
    アントニオ・カルロス・ジョビン、ヴィニシウス・ヂ・モライス、ジョアン・ジルベルト、
    カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、シコ・ブアルキ、ミルトン・ナシメント、
    さらにはホベルト・カルロス、カルトーラからポップ、ヒップホップ勢まで、
    主要な作曲家、ミュージシャン、シンガーを網羅。

    ブラジル音楽の名曲事典としても役に立つと同時に、
    広大無辺なブラジル音楽の全体像を知るために最適のガイドとなっています。

    著者はJ-WAVEの人気FM番組「サウージ!サウダージ」のプロデュースを長年手がけるなど、
    ブラジルの音楽と文化を精力的に発信している第一人者の中原仁。本書が初の単著(書き下ろし)です。
  • なぜ演奏をつづけるのか。なぜ至高でありつづけられるのか──。
    齢を重ねてなお輝きをます鍵盤の芸術家たち40人。
    その音楽の秘密と活力の源泉にせまる。

    “亡き吉田秀和氏がホロヴィッツを「ひびのはいった骨董品」と評したのは有名な話だが、ひびが入るどころかバリバリの新品の完成度に「骨董品」の味わいを加えた弾き手がたくさんいることに驚かされる。
    なぜ彼らは、体力・記憶力の衰えにもめげず、演奏活動を継続させることができたのか。内外の長寿ピアニスト40人を紹介しつつ、息の長い活動の秘訣をさぐってみよう。(序文より)”

    アルド・チッコリーニ、イェルク・デムス、パウル・バドゥラ=スコダ、イングリット・フジコ・ヘミング、マリア・ジョアン・ピレシュ、アレクセイ・リュビモフ、ダニエル・バレンボイム、マルタ・アルゲリッチ、ラドゥ・ルプー、ヴァレリー・アファナシエフ、高橋悠治、高橋アキ、室井摩耶子、舘野泉、そして著者・青柳いづみこ自身……

    長いキャリアを経てなお矍鑠として活躍をつづけ、わたしたちに味わい深い音楽を届けてくれる「ヴィンテージ・ピアニスト」たち。
    自身ピアニストとして第一線で活躍する著者ならではの洞察と柔らかな感性で、彼らの芸術の源泉に肉迫する。

    音楽情報誌『音遊人(みゅーじん)』の人気連載、待望の単行本化!
  • 図書館に人知れず眠っていたふたりの日本人からの手紙がいま、語りはじめる。
    カズコとクニ、そしてレニー ──
    芸術と愛に生きた巨匠バーンスタインの実像にせまる感動のノンフィクション!

    “……でもレニー、僕はあなたを愛してしまったし、
    忘れることはできないのです。
    あなたは僕にこう言いましたよね。
    「誰かと恋に落ちたくはない、なぜならそれは、
    自分の人生を変えてしまうから」”(本文より)

    ワシントンの図書館で著者が出逢った数百通の手紙。
    それは、世界の巨匠レナード・バーンスタインと
    知られざるふたりの日本人との心の交歓の記録だった。

    カズコ ──日本でおそらく最初の、そしてもっとも熱心なファン。
    クニ ──バーンスタインと激しい恋に落ち、その夢の実現に尽力した人物。

    マエストロとふたりの日本人とが紡いだ愛の物語を軸に、
    冷戦期アメリカの文化戦略、高度成長期日本に花開く音楽文化が描かれる。
    感動の音楽ノンフィクションがここに誕生!

    レナード・バーンスタイン(1918-1990)は、
    ニューヨーク・フィル、ウィーン・フィルなどのタクトをとった指揮者として、
    《ウェスト・サイド・ストーリー》《キャンディード》など不滅の名作の数々を生みだした作曲家として、
    米ソ冷戦期に反核や平和運動に精力的にとりくんだ行動する音楽家として、
    20世紀を代表する芸術家の筆頭にあげられる巨匠。

    スティーヴン・スピルバーグがリメイクし大ヒットした
    ミュージカル映画『ウェスト・サイド・ストーリー』(2021)や
    Netflixが制作し、スピルバーグ、マーティン・スコセッシらが名を連ねる
    伝記映画『マエストロ』(2023年春公開予定)などで、
    いまなお世界中から注目を集めている。
  • クラシック/古楽界に衝撃を与える問題の書、ついに邦訳なる!
    ピリオド・アプローチはほんとうに正しいのか?
    クラシック音楽に真の生命をあたえるものはなにか?!

    過去の音楽をそっくり再現して、どうするのか?
    なぜ儀式のように音楽を聴かなければならないのか?
    原典至上主義? ──それは「テクスト・フェティシズム」にすぎないのでは?
    古楽が追求すべきオーセンティシティとはどこにあるのか?
    そして、「HIP(歴史的知識にもとづく演奏)」とは何をめざすものなのか? ──

    フランス・ブリュッヘン率いる18世紀オーケストラなどでオーボエ奏者、リコーダー奏者として活躍したほか、楽器製作や音楽学研究の分野でも多大な実績を残し、2011年に惜しまれつつ世を去った著者が、2007年に発表したThe End of Early Music: A Period Performer’s History of Music for the Twenty-First Century(Oxford University Press)。
    音楽史のとらえ方を根底から更新し、クラシック音楽家の意識変革をうながし、返す刀で「原典至上主義」に拘泥する古楽演奏にも疑問符を突きつけた同書は、発表と同時に大きな話題を巻き起こした。
    「HIP(historically-inspired perfomance; historically-informed performance=歴史的知識にもとづく演奏)」と「修辞学的音楽(rhetorical music)」の理想を知り、楽譜に書かれた音楽をただ再現するだけでなく、生命力にあふれたパフォーマンスをおこなうために、すべての音楽家がひもとくべき書、ついに待望の完訳!
  • 「ボーン・クリエイティヴ」、略して「ボンクリ」。
    人間はみな、生まれつきクリエイティヴだ。
    好奇心がバクハツする異次元の連続講義!

    ※電子版においては、権利の都合上、楽譜の一部にモザイク処理をほどこしています。

    “Born Creative” Festival(略称「ボンクリ・フェス」)は2017年から東京芸術劇場を舞台に展開されているボーダレスな音楽祭。

    「ボンクリ・フェス」のアーティスティック・ディレクターをつとめる作曲家・藤倉大が、「アヴァンギャルドだけどおもしろい」4人の音楽家をゲストに、未知の音楽を知る喜びを語りあった連続講義「ボンクリ・アカデミー」を単行本化。

    『あまちゃん』の音楽で知られる前衛・即興音楽家の大友良英による「作曲」講座を皮切りに、異次元の音楽空間をつくりだす電子音楽家・檜垣智也、現代の尺八道をきわめる藤原道山、三味線で現代音楽を席捲する本條秀慈郎が登場し、音楽を深掘りする楽しみを披露。最後は藤倉大が吉田純子を聞き手に「新しい耳のつくり方」を伝授します。

    人生の喜びとは学ぶこと。
    ボンクリ・フェスにこんなにたくさんの全然違う分野で活躍するアーティストが集まるのなら、僕ひとりが学ぶのではなく、これらのアーティストの重要な考えや思いを記録して、今、そして未来のみんなが学べるように残せないものか。
    ──藤倉大(「おわりに」より)

    2021年7月から9月にかけて朝日カルチャーセンター新宿教室がおこなった東京芸術劇場提携オンライン講座を書籍化。
  • 人気エッセイストがはじめて贈る音楽の本!

    「フランツ・リスト大好き」な方も、苦手だけど課題曲だから仕方なく弾いている方も、趣味でリストを弾いてみたいと思っている方も、そもそもリストって誰よ? という方も、この本をとおして新しい出会いを経験していただければと願っている。(まえがきより)

    幼くして視力を喪い、ピアノを友とするようになってから、著者のかたわらにあったリストの作品たち──。

    『ラ・カンパネッラ』『愛の夢』『ハンガリー狂詩曲』『エステ荘の噴水』『タランテラ』……長年のレッスンをつうじて探りあてた1曲1曲の魅力の源泉。

    リストが生涯追い求めた愛と信仰の姿とは?

    いまピアノを学ぶ子どもたち、教える先生たちに届けたい心の栄養。

    日本エッセイストクラブ賞受賞の人気作家が初めて贈る音楽エッセイ。

    金子三勇士さん(ピアニスト)推薦!
    「時空と次元を超えたリストの魅力とは? 音楽のコスモポリタンの真の姿を追う。」
  • 「倶楽部を作るんだよ。レコードをじっくり、綿密に聴くことだけを目的にした倶楽部を」

    月曜の夜、パブの小部屋に3枚のレコード盤を持ち寄り、厳格なルールのもとにただ黙って聴く──ストイックな倶楽部は順調に育っていくかに見えたが、やがてライバルが出現し、分裂の危機に揺さぶられる……。

    トマス・ピンチョンガデビュー作を賞賛、イギリスならではの乾いたユーモアの名手が送る現代社会の寓話。

    ピーター・バラカン
    「持ち寄ったレコードを黙って聞き、意見を一切言わない。この極度のオタク行為に潜む意義はあるのか、答えはまだ出ませんが、一気に読んでしまいました」

    直枝政広(カーネーション)
    「明かされるタイトルだけを頼りに、読みながらプレイリストを作った。音楽の迷路に迷い込む気持ち良さを存分に味わった。答え合わせは後のお楽しみだ」


    月曜の夜、パブの小部屋に3枚のレコード盤を持ち寄り、厳格なルールのもとにただ黙って聴く──ストイックな倶楽部は順調に育っていくかに見えたが、やがてライバルが出現し、分裂の危機に揺さぶられる……トマス・ピンチョンがデビュー作を賞賛、イギリスならではの乾いたユーモアの名手が送る現代社会の寓話。

    作中には60年代以降のロック、ポップスのタイトルが無数に登場するが、ミュージシャンやバンド名はいっさいナシ。そんな意地の悪い小説だが、作者本人がSpotifyに“The Official Forensic Records Society Playlist by Magnus Mills”と題したプレイリストを公開中!
    訳者・柴田元幸によるあとがき、注解とマグナス・ミルズの著作ガイドとともにお楽しみ下さい。

    訳者あとがきより───
    人物の過去も背景も示さず、ほかに何をやっているかも伝えず、ひたすらひとつの営みに携わるさまを、比喩などのレトリックにも頼らず描く。そうやって自主的に素材を貧しくすることを通して、この作家ならではの、オフビートな可笑し味が生まれてくる。無表情で可笑しいことを言ったりすることを英語ではdeadpanと呼ぶが、マグナス・ミルズほどdeadpan humourに長けた書き手もそうザラにいない。
  • ヒット曲はこうして生まれる!
    「帰って来たヨッパライ」「千の風になって」『A LONG VACATION』など
    数々のヒット作誕生に携わり、著作権の価値を知り尽くす業界のパイオニアが
    音楽出版ビジネス55年の経験を次世代につなぐ!

    音楽出版ビジネスとは?
    「作詞家・作曲家から楽曲の著作権を預かり、1円でも多く収入を上げるよう、ありとあらゆる努力をする仕事です」

    現在フジパシフィックミュージック代表取締役会長を務める著者は、
    前身となるパシフィック音楽出版の創業スタッフとして、
    1966年に音楽出版ビジネスのキャリアをスタート。
    以来今日までに「帰って来たヨッパライ」、「白い恋人たち」
    『A LONG VACATION』、「千の風になって」をはじめ、
    フォーク・クルセダーズやジャックス、モコ・ビーバー・オリーブ、おニャン子クラブ、
    大瀧詠一、山下達郎など無数のヒット作を世に送り出してきた。

    本書は、音楽著作権の価値を知り尽くす業界のパイオニアが
    アメリカで始まった音楽出版ビジネスの歴史とともに、
    作詞家・作曲家、ミュージシャンを支え、
    内外のライバルやパートナーと切磋琢磨してきた長年の経験を語ったもの。
    音楽を聴くメディアとしてインターネットが主流となったいま、
    これからの著作権ビジネスを考えるうえでも必読です。

    ●本書に登場するおもなミュージシャン、音楽家
    ザ・フォーク・クルセダーズ、加藤和彦、ジャックス、大瀧詠一、シュガー・ベイブ、
    山下達郎、秋元康、Wink、稲垣潤一、ウルフルズ、BONNIE PINK、Superfly、
    バート・バカラック、ポール・ウィリアムス、ロジャー・ニコルス

    ●著者が携わったおもなヒット作
    「帰って来たヨッパライ」「千の風になって」「白い恋人たち」
    『A LONG VACATION』「あの素晴しい愛をもう一度」
    「悲しくてやりきれない」「結婚しようよ」「ガッツだぜ!!」など
  • 「NO」から始まる音楽論。
    音楽の世界に蔓延する権威と常識を問いなおす「18の論点」!

    読者の何割かは最後の章まで読破するでしょう。
    そのうち一定数の方々は、不愉快な思いをし、お怒りになるかもしれません。
    が、一方で、俎上に挙げられたさまざまな事象とその論考に瞠目し、
    心の裡で喝采してくださる方々もいるはずです。
    ──南 博

    本書で、私が書いてきた領域は多岐にわたっている。
    音楽家の矩(のり)を踰(こ)えていると思う方が大半だろう。
    だが、私が書きたかったことは、まさに、そうした実は何の根拠もない「矩」をこしらえた、
    何か大きな力に対するリゼントメント(憤激)である。
    ──森本恭正

    ラディカルに、そしてロジカルに権威を切り裂く多能な作曲家と、
    言葉のインプロヴィゼイションで読む者を覚醒させる異才ピアニストが
    ジャンルを超えて交わした言葉のインタープレイ。

    誰も語れなかった〈音楽〉がいまここから聞こえてくる──
  • ぼくは息子を腕に抱かせてもらい、
    目の開いていないその子をじっと眺めた。
    ようこそ。ようこそ。この世界へ。

    ひとり出版社・夏葉社を吉祥寺で営み、
    著作にもファンの多い島田潤一郎が、
    6年前に父となった時から一変した日々の暮らしと
    子どもたちへの深い思いを綴るエッセイ。

    子育てがしんどいのはぼくたちだけじゃないはずだーー
    不安、挫折、祈り、希望ーー子どもたちとのかけがえのない日々を忘れないために。

    奮闘する親たちの切実な共感を呼ぶ話題書。

    「日曜日の昼に、生後七日目の赤ん坊がぼくの家にやってきた。
    それから、人生がガラリと変わった」

    「泣かないで。ちゃんとまわりを見て。こんにちはと言って。
    ありがとうと言って。ぼくたちの心の中には願いしかない。」
    ──本書「息子とサツマイモ」より
  • 音楽の森羅万象を知るプロデューサーが
    世界中を飛びまわる指揮者とともに、トコトン語り合った4日間+1日!
    クラシック音楽、ホントに大丈夫?

    ~~~~~
    山田 今日もすぐ終わりますよ。「オーケストラに未来はあるか?」
    「ない!」で終わり(会場爆笑)。
    浦久 そういわれてしまうと、もう身もフタもない(笑)。
    ~~~~~
    浦久 指揮者から見た理想のオーケストラとは?
    山田 自分のイメージというか、アイディアを具現化してくれるオーケストラが、
    理想のオーケストラということになると思うんですよ、ふつうはね。
    浦久 では、そのイメージを持っていない指揮者の場合はどうなるのかな?
    山田 ほらきた(会場笑)。
    ~~~~~
    山田 観客のみなさんがちょっとかわいそうって思うこともある。
    浦久 緊張感を強いられて?
    山田 指揮者が棒を下ろすまで拍手はするなとか。あれ、やめてほしいですね。
    だからぼくは、あえて指揮棒をずっと上げておこうかなって(会場笑)。
    ~~~~~
    浦久 日本では、みんなで歌って踊って、わいわいいう音楽のほうが、
    はるかに長い歴史を持っていた。
    山田 なるほど。日本人は劇場から飛び出して、盆踊りをしよう(笑)と。
    ~~~~~

    日欧の文化を知悉し、コンサートプロデュースや文筆でユニークな活動を続ける文化芸術プロデューサー・浦久俊彦と、現在もっとも多忙な音楽家のひとりとして世界中を飛びまわりながら、日本の音楽界にラディカルな問いを投げかける指揮者・山田和樹が、「クラシック音楽の明日」についてガチンコ対談。

    山田が実演家として現場的・実践的疑問を提示すれば、浦久が古代から現代までの音楽思想や人文科学の知識を総動員してガチで答え、浦久が大風呂敷の「音楽文化改革案」を提示すれば、山田がカリスマ指揮者の余裕で全肯定!

    抱腹絶倒の対話は、コロナ禍にあえぐクラシック音楽界への福音となるのか!?
  • 坂本龍一のユニークな音楽学校、リニューアル第1弾! テーマはずばり「ピアノ」。鍵盤楽器はいったいいつどこで生まれたのか? 紀元前のオルガンまで遡ってその謎に迫る鼎談と、坂本の愛する曲をプレイリストで聴きながら、不自由で儚い楽器「ピアノ」の本質に迫る対談の2部構成でお届けします。ゲストに音楽学者の伊東信宏さんと上尾信也さんをお迎えしました。カラー口絵と音源ガイド付きです。

    2008年にVol.1『J.S.バッハ』でスタートし、2018年『ロマン派音楽』まで17巻(CDと本)をエイベックスから刊行してきた、坂本龍一監修のユニークな音楽全集〈音楽の学校=コモンズ・スコラ〉。このVol.18から、プレイリストで音楽を聴きながら読む書籍として生まれ変わります。

    リニューアル第1弾のテーマは、坂本龍一がもっとも長く深く付き合ってきた楽器、ピアノ。だれにでも正確で大きな音が出すことができて、「楽器の王様」とも呼ばれるピアノは、ギターと並んで世界的にもっともポピュラーな楽器です。

    本書では、そのピアノ成立史のミステリーに挑むとともに、工業化の粋を極めたピアノという楽器とその音楽の本質を多彩な視点から縦横無尽に語り合います。東日本大震災で出会った「津波ピアノ」に象徴されるように、ピアノを不自由で儚い楽器ととらえ近代に抗う坂本の楽器観・音楽観も浮き彫りになります。

    ゲストに迎えたのは、ピアノよりさらに古い鍵盤楽器の成立史に詳しい研究者・上尾信也さんと、中欧・東欧の芸術音楽、民族音楽がご専門でピアノをめぐる文化史にも造詣の深い音楽学者・伊東信宏さんのおふたり。

    第1部は3人の鼎談。国立音楽大学の楽器学資料館で歴史的な鍵盤楽器に触れたあと(カラーで紹介)、紀元前のローマ、ギリシャやイスラム世界まで視野を広げて、ピアノ成立史のミステリーに挑みます。

    後半の第2部は坂本×伊東の対談。バッハからライヒまで、坂本が慣れ親しんできたピアノ曲を聴きながら、不自然で不自由で、そこがいじらしくもある楽器=ピアノの本質に迫ります。
  • 難攻不落の「音楽の城」を攻略せよ!
    マニアもビキナーも黙らせる究極の入門書。

    ドイツ・オペラ最大の金字塔、《ニーベルングの指環》。
    その途方もないスケールの大きさ、さまざまな学問・芸術領域におよぶ奥行きの深さなどから、「音楽史上もっとも敷居の高い作品」のひとつとして知られるこの楽劇を、ワーグナー研究の権威でドイツ文学研究者の山崎太郎氏が、文学、哲学、歴史学、社会学、心理学、文化人類学など人間のいとなみすべてに連関する総合的なテクストととらえ、初心者にもわかりやすく解説。
    知的冒険に満ちた興奮の「リベラルアーツ講義」、開講!
  • クラシック音楽の30年をひもとき、
    激動の時代を語り尽くす。
    痛快無双のクラシック音楽談義!

    カラヤン、バーンスタインが逝き、
    アバド、クレーメルが新しい道を開拓。
    そしてドゥダメル、クルレンツィス登場。

    古楽運動にアメリカの没落を重ね合わせ、
    マーラー・ブームを佐村河内事件の淵源と喝破する。

    博覧強記の思想史家・片山杜秀と
    演奏史の語り部・山崎浩太郎が
    激動の平成時代をクラシック音楽という視点から語り尽くす!

    片山──平成という時代に特徴的なことといえば、やはり壮大なまがいものにこそ感動するというところじゃないでしょうか。
    山崎──昭和まではクラシックをめぐる言説が男目線中心だったのが、女性の力が増したからこそ、テノール歌手の魅力が堂々と語られるようになった。
    片山──森繁久彌と吉田秀和は同い年。これ重要(笑)。
    山崎──宇野功芳の存在は、ある意味で司馬遼太郎と似てると思うんです。

    ※本書はTOKYO FMグループの衛星デジタル音楽放送ミュージックバードで
    2018年8月19日に放送したウィークエンド・スペシャル「夏休み自由研究~平成音楽史」を
    採録したものに大幅な加筆をほどこし、同年9月12日におこなった座談会の内容を
    「コラム」として追加して編集したものです。
    ミュージックバードはJCSAT-2B(スペースディーバ)から日本全国に向けて放送する
    高音質“音楽専門”有料放送です。
    クラシック、ジャズの専門チャンネルのほか、スタンダードパックでは音楽ジャンル別に
    50チャンネルから楽しめます。詳しくは以下のサイトをご覧ください。
    http://musicbird.jp/
  • 卓抜なジャズ評論で時代を画した著者が
    最後に語りおろした日本ポップス文化論!

    昨年7月、自選評論集『されどスウィング』刊行と同時に惜しくも世を去った音楽評論の大家・相倉久人の没後初となる著作。

    エノケン、美空ひばり、服部良一、坂本九、クレージーキャッツ、軍歌、百恵・聖子・明菜・奈保子、ユーミン、大瀧詠一、シャ乱Q……
    戦前・戦中のヒット曲・軍歌から、戦後のアイドル、ニューミュージックまで全10回、流行歌を通して昭和を見る!

    本書は2012~14年に行った連続対談を再構成・書籍化したものです。

    「芸能ってのはお客さんに喜んでもらえなきゃしょうがない。でも、たどり着く頂点はアートと同じですよ」──相倉久人
  • ソウル・ミュージック・ガイドのロングセラーが
    全448曲のプレイリストを加えてリニューアル新発売!
    刊行30周年記念出版!

    ソウル・ミュージックガイドの決定版として愛され続けるロングセラー(11刷)に、11のプレイリスト=全448曲を加えた新版の登場です。

    FM番組『バラカン・ビート』『ウィークエンド・サンシャイン』や
    NHKワールド『ジャパノロジー・プラス』などラジオやテレビでおなじみ、
    ピーター・バラカンが、ゴスペルからヒップホップまで、
    アメリカのソウル・ミュージックの歴史とスターたちを語った本書は、
    多くのミュージシャンやリスナーに支持され、ロングセラーとなっています。

    この30周年記念版は、著者が各章ごとに新しく選んだ合計448曲のプレイリストを、
    ストリーミング・サービスのSpotifyに作成し、
    リンクQRコードと書き下ろしの解説を加えた新版です。

    ヒップホップがポピュラー音楽の主流となっているなか、
    若いリスナーたちがブラック・ミュージックの歴史に
    新たな関心を寄せている今、最適の入門書としてお薦めしたい1冊です。

    ※本書は、2008年に弊社から発売した『魂(ソウル)のゆくえ』の改訂新版です。
    1989年のオリジナルの新潮文庫版発売から数えて今年が30周年にあたります。
  • ベストセラー『クラシックでわかる世界史』(2007)が
    コンパクトな改訂新版に生まれ変わって登場!

    歴史が動くとき、名曲が生まれる。
    ──16世紀中盤から第一次世界大戦まで、音楽史でいえばバロック前期から後期ロマン派までの時代の音楽を、革命や戦争など大きな出来事の歴史と、社会史、美術史、演劇史と組み合わせて見ることによって、現代に残された数々の名曲に秘められた真実の歴史を解き明かします。

    [本書の内容より]
    ・ヴィヴァルディは皇帝に〈機密情報〉を提供していた?
    ・ハプスブルク家の結婚政策がオペラを発展させた
    ・ベートーヴェンのパトロン遍歴と国際政治力学
    ・革命に加わって指名手配されたヴァーグナー
    ・スエズ運河開通式典とヴェルディ《アイーダ》の深い関係
    ・ピアノは大砲よりも強し。パデレフスキのポーランド独立運動

    2007年10月の刊行以来、版を重ねロングセラーとなっていた『クラシックでわかる世界史』に大幅な改訂を施し、お求めやすいコンパクトな新版としてお届けします。とくにオペラ作品の題材と歴史との関連、各都市の音楽文化についての記述を充実させ、前著と比べてより立体的な内容としました。
  • 17歳のイラク人少女の呼びかけに応えたスコットランド人指揮者のポール。
    彼を待っていたのは、楽器もなく技術もない、熱意だけは一人前の若者たちだった──
    音楽の奇跡に心躍る感動のノンフィクション!

    風変わりな冒険に放りこまれた
    クルド人、アラブ人、アメリカ人、イギリス人が、
    おずおずと最初の一歩を踏みだした。
    誰もがおたがいをちょっと警戒し、でも少しだけ信頼していた──

    本書の主人公はスコットランドの指揮者ポール・マカランダン。
    2008年、バグダッド在住の17歳のピアニスト、ズハル・スルタンが
    「マエストロ求む」と呼びかけた新聞記事に目を留めたことをきっかけに、
    イラク・ナショナル・ユース・オーケストラの音楽監督に就任する。
    オーケストラの設立に尽力し、YouTubeでオーディションをおこない、
    ファンドレイジングにかかわり、イラク国内はもとよりヨーロッパ各地に招かれて演奏ツアーを敢行。
    2014年にISIL(イスラム国)の台頭にともなう国情の悪化によって解散するまで、
    ともすれば不安定な政情や他国人の無理解、民族間の感情的軋轢などによって迷走しながらも、
    世界に向けて高らかに「音楽の力」を謳い上げた
    イラク・ナショナル・ユース・オーケストラとポールの7年間を克明に描き出す。

    序文=サー・ピーター・マクスウェル・デイヴィス
    解説=樋口美治(中東音楽研究家)
  • 私たちは音楽のヒューマニズムから自由になれるのだろうか?
    音楽が多すぎる時代に、音楽を取り戻す。
    「不自由」な音楽を問い直す自由でしなやかな感性による音楽論!

    『音楽療法を考える』やマリー・シェーファーの翻訳などで知られる
    臨床音楽学の第一人者が、高度資本主義、グローバル社会における
    音楽のあり方を問いただし、持続可能(サステナブル)な音楽のあり方を
    模索する切実な問題を投げかける意欲的な論考。

    明るく楽しい音楽はどこから来たのか?
    なぜウケのわるい難しい音楽が創り続けられてきたのか?
    なぜクラシック音楽がえらくなったのか?
    なぜ巷には聞きたくないのに音楽が溢れているのか?
    どうして芸術家が構想する社会改革は失敗に終わるのか?
    なぜみんな音楽から遠ざかりはじめたのか?
    ──みんな、不要となった音楽の掟にわれわれがしばられているからだ。

    音楽によるヒューマニズムの押し売りに辟易しているあなたへ──
  • 菊地成孔さん(ミュージシャン)推薦!
    「雑味なし、エグ味なし、ナチュラルかつハイグレード。口当たりまろやかにして栄養満点。要するに〈フツーに良い〉。
    そんなジャズ批評があってたまるか! というアナタ、間違ってますぞ。そんなジャズ批評が足りなかったんでしょうが。コレ読むと解ります。」

    〈いりぐちアルテス〉第4弾は、ビバップの始祖から21世紀日本の最新型ジャズまで、選びぬいた100枚+200枚のディスクでジャズのエッセンスと楽しみ方がわかる名盤ガイド!
    ビバップ、モード、ウェストコースト、ビッグ・バンド、フリー、ノイズ、フュージョンという多彩多様なジャズの全体像を幅広いラインナップに凝縮しました。
    人気ブロードキャスター、ピーター・バラカンを特別ゲストに迎えての著者との対談付き。
  • 90歳を超えるいまなお、年間80回の演奏会を指揮。
    当代最高の巨匠指揮者が、音楽と人生、そして信仰を語るはじめての自伝!

    私たちは完全無欠なものに到達することはできません。
    しかしそれはつねに頭に浮かんでいるのです。
    そして音楽は私たちを救ってくれます。
    音楽は崇高なるものの予感を伝えるのです。
    ──ヘルベルト・ブロムシュテット

    マルケヴィッチ、バーンスタイン、ケージら20世紀の大音楽家たちとの交流、
    バッハ、ベートーヴェン、ブルックナーらドイツ音楽の本流へのたゆまぬ献身、
    ベルワルド、ステンハマルら祖国スウェーデンの作曲家への尽きせぬ愛情……

    シュターツカペレ・ドレスデン、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、
    サンフランシスコ交響楽団、NHK交響楽団などの要職を歴任し、
    90歳を超えるいまなお、世界中を旅して年間約80回の演奏会を指揮する当代最高のマエストロが、
    あたたかく飾りのないことばで、みずからの生涯・音楽・信仰を語りつくす。

    ★著者ブロムシュテットは2018年10月に来日し、NHK交響楽団の定期6公演を指揮!
    ★そのうち3日間はNHK-FMで生中継!
  • 1,100(税込)
    著者:
    高橋健太郎
    イラストレーター:
    へびつかい
    レーベル: ――

    時間と運命がミステリアスに交錯する
    ミュージック×タイムトラベル小説!

    なぜ、オレは彼女の中に入り込んでしまうのか?
    この地下鉄の光景は本当の未来なのか?
    時空を超えて繋がる人々の運命がひとつの音楽を紡ぎだす──

    20世紀の音楽史への深い造詣をもとにしながら、
    謎をはらんだタイムトラベル・ストーリーの中に、
    架空の音楽やミュージシャンたちの日常をリアルに描きこんでいく。
    SF? ファンタジー? 音楽小説? ジャンルを軽やかに超えながら、
    静かな感動を呼ぶラストまで一気に読ませる上質のエンタテインメント!

    ────行方不明になった伯母の家で、カズは祖父の遺品達を発見する。
    古いスライド映写機を点けると、カズは近未来の地下鉄車内に飛んでいた。
    しかも、ヘッドフォンで音楽を聞いている女性の身体の中に。
    目の前の光景は本当の未来なのか?
    好奇心に駆られたカズはタイムスリップを繰り返していく。
    伯母の教え子だったヴァイオリン奏者のリキは親友に励まされながら、
    自分自身の音楽を生み出そうとしていた。
    ドイツからやってきた伝説のロック・ミュージシャン、ジーモン、
    彼の祖父が遺したナチス時代のリボン・マイク、
    伯母が愛したベヒシュタインのピアノ、京都の老技師──
    数十年の時を超える因縁が人々を結びつける。
    そして、生れ落ちる一枚のアルバム……
  • 大人気シリーズ、第3弾!
    2015~2018年のヒップホップ・シーンを
    文化系名コンビが検証する!

    トランプ政権という踏み絵が誕生し、
    ケンドリック・ラマーが脚光を浴び、
    トラップがニューヨークすら支配し、
    カニエ・ウェストが炎上し続けた──
    そんな4年間(2015~2018)のヒップホップ・シーンを
    文化系名コンビが検証する!

    「ヒップホップは音楽ではない」という独自の視点を打ち出した
    シリーズ第1弾『文化系のためのヒップホップ入門』(2011)は、
    アメリカのヒップホップの歴史と聴き方を指南した
    画期的な入門書として、ロングセラーを続けています。

    2012年から14年までをとりあげた『文化系2』(2018)に続く本書では、
    2015年から18年までのシーンを振り返るとともに(CDガイド付き)、
    アフリカン=アメリカン研究の専門家で慶應大学准教授の有光道生さんを招いて、
    オバマ政権下のアメリカ社会とヒップホップを論じた鼎談も収録しています。

    本書で話題にした楽曲のプレイリストもSpotifyで近日公開!
  • 愛の物語を構築すること、それがビジネスだ!──
    毎年100万人をクラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ」に引き寄せるプロデューサーが初めて語った「成功の法則」。
    あなたの仕事が、日常が、人生が変わります!

    いつもポロシャツとコットンパンツの出で立ちで現れ、
    頬への熱いキスとたくさんの言葉とまっすぐの眼で仕事をする。
    戦略も駆け引きも心理学も使わずに──。
    ルネ・マルタンの言葉には、愛と音楽と物語のある人生への鍵がある。

    ◎世界でもっとも成功した音楽プロデューサー、珠玉の箴言集
    ・クラシック音楽はあらゆる人に開かれ、あらゆる人が愛する権利を持つものです。
    ・「好奇心」こそ、企画においてもっとも優先されるべきものです。
    ・東京は、文化面で切ることのできるカードをたくさん持っています。
    ・夫婦で生きるとは、日々新しく夫婦の関係を構築するということです。
    ・常に子どもたちに近づくようにするべきです。
    ・私たちが売っているのは、夢でありエモーションなのです。

    2016年8月、音楽ジャーナリスト・評論家の林田直樹は、
    南仏プロヴァンスで開催された
    「第36回ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭」の
    野外ホールに続くプラタナスの木陰で、
    同音楽祭の芸術監督でもあるルネ・マルタンと10時間以上にわたって語り合った。
    ここは、ルネが心血を注ぐ世界最大級のクラシック音楽祭
    「ラ・フォル・ジュルネ」の原点ともなった場所であり、
    「インタビューはぜひラ・ロック・ダンテロンでやりたい」というのが、
    本書の企画に際してルネが出した唯一の条件でだった。

    ◎ルネ・マルタン
    世界各地を駆け巡り、年間1550公演を手掛ける音楽プロデューサー。
    1981年、南仏の小村で「ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭」を開始。
    世界最大規模のピアノ音楽祭に育て上げる。
    1995年、クラシック・コンサートの常識を根底から覆す画期的な音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」を開始。音楽シーンにセンセーションを巻き起こす。
    2000年以降ラ・フォル・ジュルネ旋風は世界に拡がり、各地で大成功を収めている。
    東京では2005年以来、12回の開催で725万人が来場。
    2005年、フランス文化コミュニケーション省より国家功労勲章を受章。
    2013年、日本の文化庁長官表彰(文化発信部門)を受ける。
  • 軍艦、大砲、鉄道、そしてピアノ。
    工業技術の発展、社会の産業化、経済の国際化、帝国主義──
    「クラシックを崇める音楽愛好家」はこの時代に誕生した!

    19世紀の最先端科学技術の粋を結集した工業製品、ピアノ。
    PART 1では、ピアノの発展、ピアノ音楽創作の歴史をとおして、当時の産業化社会が市民文化を創出し、現代のわたしたちが楽しんでいる「クラシック音楽」を生みだした過程を明らかにする。
    PART 2では、パリやウィーン、ロンドン、ベルリン、ライプツィヒなど、個々の都市や国での個性あふれるピアノ音楽にスポットをあてる。
    終章では、19世紀ピアノ音楽のもっとも特徴的なジャンル、「ノクターン(夜想曲)」をとりあげて、当時の社会のあり方やひとびとの美意識がどのように反映しているのかを考察する。
    全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)のホームページでの連載「ピアノの19世紀」を全面的に改稿し、単行本化。
  • あの名コンビふたたび!
    ヒップホップの聴き方がわかる画期的な入門書として
    絶賛されたベストセラー、待望の第2弾登場!

    「ヒップホップは音楽ではない」「ヒップホップは『少年ジャンプ』である」といった
    キラーフレーズを満載した前作『文化系のためのヒップホップ入門』は、
    ライムスター宇多丸さんや山下達郎さんにも高く評価され、
    刊行から7年が経った現在も売れ続けているアルテス最大のロングセラーです。

    その続編『2』は、ケンドリック・ラマーやチャンス・ザ・ラッパーが登場し、
    ニッキー・ミナージュら女性ラッパーが活躍、
    ファレル・ウィリアムズ〈ハッピー〉が大ヒットした、
    2012年から14年まで3年間のヒップホップ・シーンの変遷を追いかけます。

    さらにゲストに『Jazz The New Chapter』の編著者・柳樂光隆さんをお迎えし、
    「ループ感覚」「Jディラ」「YouTube」などをキーワードに
    ジャズとヒップホップの影響関係を探る鼎談を収録。

    続けて2015年以降のシーンを取り上げる『3』も
    着々と準備中ですので、どうぞご期待ください!
  • 冬木透氏(作曲家、「ウルトラセブン」音楽監督)推薦!!
    「セブンのドラマをもう一度創っているような昂揚感を覚えながら、一気に読んだ。シューマン、リパッティ……巡礼の旅路はM78星雲へ!」

    衝撃の最終回。
    モロボシ・ダンの告白シーンになぜ「あの曲」が使われたのか──
    「音楽」を切り口に、ウルトラセブンを読み解いた快作!

    ──感動で身体が痺れた。
    自分にとってウルトラセブンは永遠となった。
    そしてこの日は自分にとって、
    クラシック音楽への扉が開かれた日ともなったのだった──
  • 大作曲家から「成功の法則」を学ぶ!
    「音楽の知」こそがこれからのグローバル社会の鍵に!
    話題のベストセラー『ハーバード大学は「音楽」で人を育てる』の著者、待望の第2弾!

    バッハ、モーツァルト、ショパン、ドビュッシー、バルトーク、ストラヴィンスキーなど
    大作曲家の生涯から、未来の人材に必要な5つの精神を学ぶ。

    1)多様性から新しいヴィジョンを生み出す人──身近な多様性に気づき、グローバルに活かす【バルトーク、ストラヴィンスキー】

    2)ソーシャルなマインドをもつ人──互恵社会のなかで、ともに創造する【リスト、メンデルスゾーン】

    3)レジリエンスの精神をもつ人──複数の視点で物事を柔軟にとらえる【プーランク、ラヴェル、ショスタコーヴィチ】

    4)フロンティアとして道を創る人──普遍的な原理を新しい時代に活かす【J.S.バッハ、ドビュッシー】

    5)生命・宇宙のサイクルを感じとる人──見えない気や感情を察知する【ショパン、モーツァルト、ヒルデガルト・フォン・ビンゲン】

    各国の先進的な教育の事例も多数紹介!
    ・フォルマシオン・ミュジカル(フランス)
    ・創造力ワークショップ(イギリス)
    ・PISA新指標(OECD=経済協力開発機構)
    ・次世代グローバル・リーダー教育(オーストリア)
    ・2020年度大学入試改革(日本) ほか
  • 気鋭のライターとアメリカ文学者が対談形式でお届けするヒップホップの誕生から現在まで。

    ライムスター・宇多丸さん推薦! 山下達郎さん絶賛!
    「ヒップホップは音楽ではなく、ゲームです」
    気鋭の映画・音楽ライターとアメリカ文学・ポピュラー音楽研究者が、ヒップホップの誕生から現在までを対談形式でお届けする目からウロコの入門講座。これであなたも立派なBボーイ!?
    ◎100枚のCDガイド付き

    70年代終わりに誕生したヒップホップ。初期は音楽として楽しめていたのに、マッチョで暴力的なスタイルが主流を占めるようになって離れてしまった人は少なくないはず。そんな音楽好きの方に、どこをどう聴けば楽しめるのかを伝授する画期的な入門書です。
    著者は映画や音楽を題材に活躍しているライター/コラムニストの長谷川さんと、アメリカ音楽研究でも知られる慶応大学准教授の大和田さんのおふたり。対談形式の軽妙なやりとりをお楽しみください。
    〈いりぐちアルテス〉第2弾!
  • イェール、スタンフォード、MIT……
    「音楽の知」を学び、奏でる
    次世代のリーダーたち!

    音大の先生、学生、受験生、ご家族も必読!
    あなたにとっての「音楽」の意味が見えてくる。

    総合大学に音楽学科や音楽学校が設置され、年間1000人以上の学生が音楽を履修するアメリカ。
    現代社会に通用する音楽家を育てるだけでなく、他分野の学生も音楽を積極的に学び、マルチな教養を身につける。
    アメリカのトップ大学が取り組むリベラル・アーツ教育の最前線をレポート!

    いま、「大学で音楽を学ぶ」とは、「音楽とともに生きる」とはいかなることなのか?──
    現代社会に音楽を活かすヒント満載の書!
  • 1,540(税込)
    著者:
    内田樹
    レーベル: ――

    今より幸せになるために結婚してはいけません──
    悩めるあなたへ贈る、「真に役立つ」結婚論。

    いま最も頼りになる思想家による
    ウチダ流「結婚ノススメ」、待望の刊行!
    結婚前の人は、したくなる。
    結婚している人は、気楽になる。
    そのためにこの本を書きました──内田樹
    どうしたら良い相手が見つかりますか?
    そもそもなんのために結婚するんですか?
    お金がなくても結婚できますか?
    本当にこの人と結婚して大丈夫でしょうか?
    結婚式はやったほうがいいですか?
    家事はどう分担したらいいですか?
    もしも相手に浮気されたら?
    結婚を長く続けるにはどうしたらいいですか?
    ──すべてウチダがお答えしましょう!
  • 第30回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)、第18回吉田秀和賞をダブル受賞!
    21世紀の真の音楽批評がここにある! 大好評の『音盤考現学』に続く第2弾!
    『レコード芸術』の人気連載、堂々の完結篇!

    吉田秀和氏も激賞した前作『片山杜秀の本(1) 音盤考現学』に続く第2弾。
    シューベルトを近眼派音楽の夜明けと断じ、金満的ヴィブラートの淵源はクライスラーにありと喝破、信時潔から坂本龍一に至る隠された楽統を暴き出し、ショスタコと恋愛映画の意外な親和性を解明する──
    音盤の博物学者・片山杜秀が渡り歩いた傑作・問題作。『レコード芸術』誌の人気連載「傑作!? 問題作!?」の後半50本を完全収録!
    岡田暁生さん推薦!
    「僕なんか逆立ちしてもかなわない人」──私は片山さんを誰かに紹介するとき、いつもこう言うことにしている。
    片山さんは異形の文体の持ち主だ。こんなにも凄まじい凝集力をもつ文章には滅多に出会えない。 ひとつひとつの単語がまるでウェーベルンの音符のように、読者の脳髄の中で次々爆発する。しかもこんな核分裂みたいなセンテンスが、ロッシーニのテンポで機銃掃射されるのだ。そして彼が書いたものを読み終わると──いつだって音楽が、思想が、社会が、時代が、それ以前とはぜんぜん違って見えてくる。
    かつて福田恒存は吉田秀和のことを「真の音楽批評家の名に値する日本で唯一の人」と呼んだが、僕にとって片山さんは「真に21世紀の音楽批評家の名に値する唯一の人」である。
    ──岡田暁生(京都大学准教授、中公新書版『西洋音楽史』著者)
  • 箏曲に革命を起こした八橋検校の謎と生涯
    盲目の天才音楽家の素顔にせまる!
    箏の代表曲「六段の調」を作曲し、新しい調弦法や形式を次々に創案、京都銘菓にも名を残す八橋検校──。
    謎解きを楽しみながら読む、初めての伝記!

    箏曲に革命を起こした盲目の天才音楽家、八橋検校の謎をとく!
    八橋検校は、生田流・山田流など現在おこなわれている箏曲の「開祖」ともいえる人物。
    最も一般的な調弦法である「平調子(ひらぢょうし)」を考案し、お箏を始めた人がかならず一度は弾く古典中の古典「六段の調(しらべ)」を作曲した江戸時代初期の音楽家です。
    京都銘菓「八つ橋」にも名を残して広く知られていますが、じつは彼の生涯は謎につつまれています。
    どこで生まれていつ亡くなったのか? 妻子はいたのか? 若いころ大坂で三味線の名手として名を馳せていたのになぜ新興の都市・江戸へ下り、三味線を捨てて箏に転向したのか?
    全面的に支援し、創作にも関与した文人大名・内藤風虎との関係は? 信州・真田家に現代までひそかに伝承されてきた八橋流箏曲とはなにか?
    日本音楽を身近なことばでわかりやすく解説してベストセラーとなった『おもしろ日本音楽史』(東京堂出版)の著者で、
    みずからも箏曲家として活躍する釣谷真弓氏が、綿密な文献調査とフィールドワーク、そして音楽家ならではの感性で挑んだ「十三の謎」。
    謎解きを楽しむうちに、いつしかこの不世出の天才音楽家の素顔が見えてくる卓抜な伝記ともなっています。
  • 本が面白いのか、書評が面白いのか!?──
    濫読無双のブックガイド!

    “本を目方で買う男”が吟味厳選した音楽書籍74冊。
    「音楽を語る」という不可能に挑んだ名著・労作・奇書・珍編を、カタヤマが読む! 唸る! 斬る!
    日本中の音楽ファンを驚愕させた『音盤考現学』『音盤博物誌』に続く第3弾は、濫読無双のブックガイド!
    サントリー学芸賞&吉田秀和賞ダブル受賞の著者、待望の新作。
    『レコード芸術』誌に10年間にわたり連載された「片山杜秀のこの本を読め!」のうち、1998年から2003年までの6年間に書かれた計72本の書評に、同時期に書かれた2本のエッセイを加え、単行本化。
    音楽書ってこんなに面白かったのか! 好奇心と歓びにあふれた無類のブックガイド。
  • 第21回吉田秀和賞 受賞作品!
    南仏の自然と郷愁を謳い上げた作曲家、デオダ・ド・セヴラック(1872~1921)、本邦初の伝記。19世紀から20世紀への時代の転換期に、フランス楽壇の中心であるパリから距離を置き、南仏を拠点に活躍した作曲家。現代のスローライフ運動にもつながる「地域主義」という独自の創作美学を標榜・実践し、ピアノ曲『ラングドックにて』をはじめとする作品は、師ダンディをはじめ、ラヴェルやドビュッシーも絶賛した。舘野泉ほかその作品に魅せられたピアニストも数多い。

    彼は、良い香りのする音楽を作る。
    そして、人はそこで胸いっぱいに深呼吸するんだ。
    ──クロード・ドビュッシー
    デオダ・ド・セヴラックは、私の芸術生活の最良の思い出のひとつです。私は彼に賛嘆の念を惜しみません。
    ──パブロ・ピカソ
    真に印象主義者といえる音楽家は、ドビュッシーとセヴラックだけである。
    ──ミシェル・シオン
    楽壇の中心であるパリに背を向け、ラングドックの自然と生活を描いた音の画家。
    師ダンディが愛し、ドビュッシーやラヴェルが賛嘆した天才作曲家の生涯と作品がいま蘇る!
    デオダ・ド・セヴラック(1872~1921)は19世紀から20世紀への時代の転換期に、フランス楽壇の中心であるパリから距離を置き、南仏を拠点に活躍した作曲家。「地域主義」ともよばれる独自の創作美学を標榜・実践し、ピアノ曲《ラングドックにて》をはじめとする珠玉の作品は、師ダンディをはじめ、ラヴェルやドビュッシーも絶賛した。舘野泉をはじめ、その作品に魅せられたピアニストは数多い。フランス近現代音楽および現代思想を研究する著者が、セヴラックの思想や作品の投げかける現代へのメッセージを読み解く本邦初の伝記。巻末に作品表、年譜、ディスコグラフィを付した。
    〈叢書ビブリオムジカ〉シリーズ、創刊第2弾!
  • 面白すぎて小説が書けない!──高橋源一郎(作家)
    カタヤマ式音楽書ガイドますます絶好調!

    本を読めば音楽がわかるのか!?──
    ますます絶好調のカタヤマ式音楽書月評、厳選68冊分、お届けします。
    銭形平次の寛永通宝はSPレコード?
    上野に西郷隆盛像と東京芸大がある理由とは?
    十二音音楽は統合失調症の特効薬だった?
    『うる星やつら』とモーツァルトの関係??──
    冴えに冴えまくる着想で、「クラシックの読み方」が変わる!
    『レコード芸術』誌に10年間にわたり連載された「片山杜秀のこの本を読め!」のうち、2004年から2007年までの4年間に書かれた計48本の書評に加えて、読売新聞、中央公論、週刊文春などで2010年3月までに発表された書評や、吉田秀和の著書に寄せた解説などを集成。
  • メディア、ブログで大反響、
    だれにも書けなかった画期的なハルキ文学の読み方!

    村上春樹はなぜ世界中で読まれているのか?
    『風の歌を聴け』から『アフターダーク』までを貫くモチーフとはなにか?
    なぜ文芸批評家から憎まれるのか? うなぎとはなにか?
    「私たちの平凡な日常そのものが宇宙論的なドラマの「現場」なのだということを実感させてくれるからこそ、人々は村上春樹を読むと、少し元気になって、お掃除をしたりアイロンかけをしたり、友だちに電話をしたりするのである。それはとってもとってもとっても、たいせつなことだと私は思う。」(本文より)。
  • 第30回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)、第18回吉田秀和賞をダブル受賞!
    音盤(ディスク)に森羅万象を観る男、ファン渇望の音楽論集第1弾。

    武満、黛、團、伊福部、西村、細川、川島からブーレーズ、ベリオ、ノーノ、ライヒ、タン・ドゥンまで──
    現代音楽の荒野に炸裂する批評の絨毯爆撃!
    『レコード芸術』の人気連載、ついに単行本化!
    「天才と博識がはじけ出てくるような批評集である」(第18回吉田秀和賞・選評より)
    『レコード芸術』誌上で2000年1月から連載中の名物コラム「傑作!? 問題作!?」の前半50回分を一挙集成!
    政治、社会、思想、演劇、芸能……全方位に伸びる好奇心のアンテナは現代音楽になにを聴き取ったのか。
    日本の音楽シーンを元気にすること間違いなしのケッサク評論が満載!
  • 不世出の全身音楽家=ポール・サイモンと天使の声をもつ歌手=アート・ガーファンクル。
    ふたりが出会ったとき、奇跡の音楽世界が生まれた──

    〈サウンド・オヴ・サイレンス〉〈スカボロー・フェア〉〈ミセス・ロビンソン〉〈アメリカ〉〈明日に架ける橋〉〈ボクサー〉……デュオ時代からソロ活動までの全軌跡と不滅の274曲を徹底ガイド。その他、ベスト盤、ライヴ盤、映像作品など、S&Gのすべてがこの1冊に!
  • 21世紀のバッハ学はここから始まる!
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    「バッハの音楽は、学びの段階に応じて発見の喜びを与えてくれる、報いの多い対象である」(礒山雅)
    バッハ時代のドイツは? 当時話されていたドイツ語は?
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